こんばんは。

ミステリ案内の稲葉の白兎と申します。

海外の最高傑作ミステリは、

「Yの悲劇」と「そして誰もいなくなった」です。

評論でもそうだし、
私自身、この作品がとてつもなく好きです。

どれくらい好きかと言うと、
何回でも読み返せる。

カタカナなのに登場人物の名前を半分以上覚えている。

ナンバーワンは、
アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」ですね。

アクロアド殺害事件も
傑作ですが、
高木彬光の能面殺人事件で
ネタバレされてしまって、
ショックでした。

「そして‥」は有名な割にネタバレが少ないです。一言では犯人の正体を表せないからですね。

そしてこの作品は
犯人当てがメインではなく、
ストーリーそのもの、
サスペンスを楽しむ話ですね。

10人のインディアンが兵隊になってたのにはビックリしました。
インディアンは差別用語なので
「兵隊」になったそうです。

兵隊の人形はともかく

「兵隊島」なんて、そんなおかしな名前の島に
招待されても、
自分なら絶対いきませんね。

不気味すぎます。

中学生の初めの頃に読みました。

一気読みです。

話が面白かったというより、
コレ、途中でやめたら怖くて寝られない!

犯人を野放しにして、
寝るなんて無理です。

全てを読み終わったあと、
しばらくショックで動けなかったですね。

犯人の正体にボーゼン。

後で振り返ると、
確かにちょっと伏線はありましたね。

ただし、推理まではムリです。

ところで
タイトルが秀逸ですね。

本当に全員が死ぬんですよ

すごくないですか?

ふつう、被害者って、
せいぜい3人くらいでしよ?

八つ墓村は8人で多めですが、
村人全員が殺されるわけではなく、
割合でいったら、ごく一部。

高木彬光の「能面殺人事件」は、
家族全員が死にますが、

全部が犯人の仕業によるモノではなく、
病気や事故、自殺も含まれます。

全員、殺されるのは
「人狼城の恐怖」です。

なかなかないですよ、全員って(笑)。

懸賞の国内旅行に当たった10人の老若男女が
「人狼城」という怪しい城に宿泊し、
命を落とします。

雰囲気がとても怖いです。

死体の状況も、
やたら首がない死体が多いです。

自分がその登場人物になった気分になり、
怖くてしょうがないです。

脱出したくても鍵がかかってて、
城から外部に出られないのです。

いろいろ頑張りますが
脱出は失敗に終わり、出口は見つかりません。
助けも呼べません。

疑心暗鬼になって、
ヒステリーを起こし
個室に閉じこもるツアー客もいました。

城内に殺人者がいるわけですから、
無理からぬこと。

逆に殺されやすくなることに気がつかないんでしょうか?

マジでやばい絶望小説でした。

あ、でもどこかで希望は持ちました。

最後の最後で犯人がわかると。

でも、そのまんま最後の一人まで
危害が加えられてしまいました。

ただ、
「そして‥」よりかは、
ヒントが多いです。

残りのツアー客同士が集まって
推理する場面が出てきます。

何で自分たちはこんな目に遭うのか?

我々は、気がつかないだけで
どこかに接点はないだろうか?

それが見つかれば
犯人特定や、

被害防止につながると考えたからです。

この「ドイツ編」には、
城へのツアー客が

一人ずつ
あるいは1組ずつが

なぜか殺されていきます。

殺されるだけ殺されて
変なところで終わります。

事件は解決しません。
探偵も出てないですし。

答えはWEBでならぬ、
答えは次の出版を待つべし!
というハードルの高さ。

忘れてしまうがな。

幸い、文庫化してるところで出会ったので、
解決編も出版されており、

間を置かずに
解決編まで雪崩れ込むことができました。