こんばんは。

松本清張の作品はほぼ読んだはず‥😅の
稲葉の白兎です。

読んでないのは
「徳川家康」と

ナントカという伝奇小説(笑)と

「湖底の興亡」くらいですかね。

少なくとも刊行されてるものは
読めるだけ読みました。

昨日読み終わった「地の指」は、
そんな数少ない今まで未読のものでした。

「地の骨」や「指」という似たタイトルがあるので、
「地の指」は、最近光文社から発売されるまで、
存在が判明しませんでした。

地の指‥確かにお書きになったはずなんですけど、
どこを捜しても見つからない。

やっと読了し、
なんか達成感みたいなものがあります。

それにしても‥

念願の未読の長編が読めて
嬉しかったのですが、

内容が‥。

😞


コレ、長編にする必要ありました?

もっと言うと、
コレを書いた理由は何ですか⁈

バンバン (机を叩く音)!

と、センセに言いたいです。

最初から怪しい事務長と都庁の衛生課員と
都議会議員

あと謎の暗号。


この冊みたいなマーク。

被害者の胸ポケットに入ってた紙片に
描かれたこのマーク。

結局、
ポケットから出てこなくてもいいシリーズでした。

精神病院
汚職
恐喝


どれもショボくてねえ。

この作品の悪口ならいくらでも口をついて
出そうで‥


悪態を突くほど駄作かと言うと、
そこまでドン底ではないです。

一応、スジは通ってるので。

スジだけは。

無駄に多い殺人。
起伏のないキャラクター。
雑学も無し。

男女のもつれも淡白で
ドロドロ感まったくなし。

トリックあるフリして
まったくなし。

桑木刑事。

一応この人が主人公で、
コツコツ型の平凡な刑事さんなんですが、

いちいち推理が当たって
都合よくないですか⁈

努力してるフリ?

「砂の器」や「点と線」の今西刑事や鳥飼刑事みたいな
無茶苦茶で執拗な骨折りが少ない。

チョコマカ動いてはいますが‥

勝手に推理が当たって
最短で犯人に行く感じ。

変な圧力もかからず
捜査費用もかからず
相棒も無味無臭のキャラクター。

事件も複雑なフリをしてるだけで
小学生にも理解できる社会派推理小説。

勝手に犯人側がヘマをする
淡々系。

刑事は尾行だけしていればよし。

飯田事務長は、
頭いいんだか悪いんだか。

いいようには見えないし
軽い感じ。

キャラクターと犯罪が合わない。

舞台も練馬区とか地味。

松ノ木町?
練馬区に詳しくないから実在かどうかも
わかりません。知らない地名が多すぎ。

タイトルの地味さ渋さは
妙にしっくりきたりして。

せっかく期待して読んだのに

この異常な淡白さは何だろう?

理由はおそらく
誰にも感情移入ができないからですね。

気持ちが悪いくらいに
感情描写が少ない。

皆、マネキンのように
実体感が感じられない。

犯罪レポートかゴシップ週刊誌を読んでるような
読者として、振れ幅が上がらないんですよ。

唯一の面白さは
マユミは誰が誘拐したの?という謎。

てっきり最初は三上運転手による嫌がらせだと
思ったんですが‥

マユミ殺害は意外な犯人。

途方もなく意外。

この、意外な犯人を作るという

それだけのために
ちょいワルタクシー運転手にスポットを当て
一種のカムフラージュにしたのかな

と考えずにいられません。
センセの作品を良く解釈した場合です。

タクシードライバーは
確かに見えない人だけど、
犯罪の目撃者になりえます。

こういう何気ない人にスポットを当てるのが
清張センセは得意。

でも、この話には
もう一人、
誰も注意を払わない登場人物がいたんですよぉ。


誰も疑わない。

作中でフルネームが公開された時、
「えっ?」とは思ったんですけど

この人の存在は
あたくしも完全無視でしたわ。

やられましたわ。

今度、街なかでタクシーを見かけたら
ドライバーの人相風体に注意を
払いそう‥

そして早速、〇〇も
意識しそう

もう行きたくなってる。
ハッと気になってしまう。

世の中、悪い〇〇もいるんですね

地の指のヒトだけだと思いますが(笑)

てっきり善良なヒトだと頭から決めつけてた
自分にビックリですわ。

おそらく読者でマユミ殺しの真犯人を
当てられる人はいないのではないか?

虚を突かれた思い。

訳ありげな( 何の毒にも薬にもなってない)
精神病院のスタッフや患者さんのほうが
善良も善良でしたね。

書かなすぎでしょう!

何か出そうで
何も出ない

岩村氏
出るぞ出るぞサギ。

〇〇については、
人間は
人の秘密を知る機会があると、
平凡なヒトでも、
ワルに変貌するという

センセ独特の世界観。
社会派推理作家としてそこは当然?
それが書きたかったのかな

「地の指」の製造年月日には同情します。
アレコレ欠点を挙げつらつてしまいましたが、
書かれたのは自分が生まれる前!!

1962年。

それを考慮すると
もしかして
当時はスリリングな傑作だったのでしようか?
😅

しがない都庁の平職員も
逆に今では憧れの公務員ですから、

いろいろな意味で時代がかった小説です。

だとしても

意味がありそでない
中身がない
起伏がないことは
お伝えしておきます。

三上運転手も憎めない人ではありました。
山中も思ったより悪い奴じゃなかったです。

そこが残念。

キャラ立ちはそれなりにできていたと考えたいです。



どマイナーな長編の復刻版でした。