こんばんは。
稲葉の白兎です。
本格探偵小説をこよなく愛してます。
本格といえば、
ルールがあります。
⚫️犯人は最初から登場していること
⚫️犯人は下男とか通行人とかダメで、重要な資格を持っていること
⚫️単独犯が望ましい
⚫️自殺や事故という解決はダメ
などなど続きますが、
⚫️犯人が実は双子だったというのは無し!!
という項目があったような気がします。
意味あいとしては、
双子をアリバイ・トリックに使ってはならないと、
いう事だと思います。
ただし、
最初からきちんとことわつて
登場させていれば
インチキではない、と。
しかし、
犯人が双子でした、ヘツヘツヘツヘー
というのは読んだ事ないです。
「人狼城の恐怖」は、
双子の城が舞台。
わかりやすく言えば、
ツインタワーのビルが、
それに当たります。
至近距離にある双子のタワーで、
別々に起こる殺人事件。
連絡通路のないツインタワー。
一番のネックはそこです。
「人狼城」の2つの城は
互いに行き来ができない。
地下でも空中でも、
2つの城は連絡通路が存在しません。
なぜなら、城は高い崖の上にあり。
城の間には大きな川が流れているからです。
仮に繋がっていたとしても、
今のような理由で、
五分やそこいらでは、行くことができません。
それにしても、
ドイツとフランスで起こった事件を
日本の探偵が解決するなんて話は
ありましたっけ?
ちょっとそこに大きな無理を感じます。
現地の警察か解決すればいいじゃないか!?
いえ、地元の警察もがんばりましたよ!
ただ、圧力がかかって
満足な捜査が行えず、あわや迷宮入りとなった
そこはフリーの探偵のほうが、
向いていました。
じゃあ、なぜ日本人?
作者が日本人だから
シリーズ探偵だから。
個人的には、
この話はシリーズ探偵を使わないほうがよかったと思います。
ドイツの観光団が失踪。
フランスの、
というよりは
アルザスの
名士とも言うべき数人がストラスブールの
「アルザス独立サロン」の本部を
出発したまま、
三か月経っても誰ひとり戻らず。
行き先は人狼城。
メンバーを編成した理事長は、自殺。
極秘捜査のため警察官や親友の弁護士を
潜入させた検事補は、
精神を病んで発狂
人狼兵器開発に携わったという噂の
老科学者は変死。
同じく人狼開発に関与した
ジプシー占い師の老婆は行方不明に
関係者に事情を訊こうにも、
こうして、手掛かりが失われてしまいました。
ドイツ観光団は、
ひとりだけ生還しましたが、
半死半生で記憶を失っており、
精神病院に入院していました。
本人は自分を狼だと🐺
思っているのです。
凶暴化して事情聴取ができるような状態では
ありませんでした。
人狼城で被害に遭った2人の男性の日記や手記
を読むと、
まるで相似形のように、
二つの城で起きた事件は、
よーく似ていました。
首なし死体
バラバラ死体
毒殺死体
死体は、客側と城の住人側の
双方に及ぶ。
初日に城主が留守。
2日目の晩餐会に演奏予定の
オーケストラが到着せず。
そのオーケストラは
「アマデウス室内楽団」と言い、
同じ名前でした。
メンバーも似ているキャラクターがいます。
老歴史教師
老歴史教授
2人ともお酒が大好きで、
2人とも人狼城で「ロンギヌスの槍」の発見に
異常な執念を見せます。
潜入捜査官
ナチスハンター
女優
未亡人
2人とも虚栄心が強いです。
どちらの城も
ある朝、鍵が外からかけられて
城外に出られなくなります。
連続殺人が佳境に入ると、
客と住人の対立が激しくなり、
住人側は客を見捨て、
しまいには姿を見せなくなります。
双子の城と言うより、
双子の事件?
同時に同じようなことが起きている!!
そんなバカなことありますか?
でも、どうしてなのか、
どうやってなのか、
絶対、意味があるはずなんだけれども
まるでわかりません。
もどかしいこと夥しいです。