こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
それにしても
本格推理モノに
双子はつきものなんですかね?
「人狼城の恐怖」の人狼城は、
単体ではなく、
青の狼城、銀の狼城という双子の城なんです。
どちらも人狼城ですが、2つあるんです。
ドイツ編の客が招待されるのは銀の狼城、
フランス編の客が訪問するのは青の狼城。
2つの城は、色を除けばソックリで、
国境沿いの川を挟んで並んでいます。
事件もソックリです。
どちらも10人近くの団体が、「人狼城」なる不気味な城を訪問します。
ドイツ編は、懸賞の抽選で当たった観光ツアーの客の老若男女。
フランス編は、フランスのアルザス地方の高級サロンのメンバーの老若男女。
共に初日は招待主が不在で、
翌日にピクニックに出かけたりします。
そして、城に慣れたと思いきや、
城の正門に鍵がかけられて、
城から出られなくなり、
一人、また一人と殺されていきます。
殺され方も両方の城は似ています。
首なし死体だったり、
手足がバラバラだったり、
毒を飲んで死んだり‥
犠牲者は招待客だけではなく、城側のスタッフからも出ています。
全く同じではないけど、雰囲気がとてもよく似ているのです。
きっと何か意味があるはずです。
「八つ墓村」には、双子の老婆が出てきます。
資産家の多治見家を
小竹・小梅の双子の老婆が牛耳っています。
初老とかではなく、かなりの高齢です。
マンガで見る限り、
双子の老婆の顔の区別はつきません。
最初はこの老婆たちを連続殺人の犯人ではないか?
と疑ったことがありましたが、
小竹と小梅の区別が全くつかないため、
犯人ではないと確信を持ちました。
彼女たちは、何というか、
2人で1つみたいな感じです。
顔の区別はもちろん、性格の区別も明確にされていないので、
犯人の適性を欠いていると言えます。
やがて片方だけが殺され、
残されたほうは、急に元気がなくなって、
痴呆になってしまいます。
この老婆たちと正反対なのが、
「三角館の恐怖」の双子の老人です。
双子とは名ばかり。
顔も、性格も、体格も、健康状態も
家族構成も
まるっきり違うのです。
全てが真逆なのです。
片方は用心深く、神経質で養生に気を使います。
片方は豪胆で、計画性はないです。
片方は年よりも内臓年齢が若い
片方は心臓病を患い、明日をも知れない命。
お金に関する考えも、
家族に関する考えも全く違います。
双子の老婆は仲良しでしたが、
この男性の双子は、
遺産相続の関係もあって、
めちゃくちゃ険悪です。
ではなぜ設定が双子なのか?
普通の兄弟で構わない気もしますが
そこはそれ、
雰囲気です。
【双子】にした方が、
ミステリアス。
実際、屋敷は左右シンメトリーなのですから。
ちなみに原作者は、アメリカ人です。
江戸川乱歩が
「この小説はすごい!!」
とかなりお気に召して、
日本で翻訳という形で発表しました。
双子はミステリにとって大事な小道具。
雰囲気でも活躍するし、
あわよくばトリックにも使ったりして。
「人狼城」は双子トリックものです。
と言っても、
これ自体は大したネタバレではありません。
真相にたどり着ける読者は少ないと思います。
ドイツ編とフランス編のそれぞれの事件は、
似ているけど、
同一ではないのです。
そこが妙にモヤモヤするのです。