こんばんは。

ミステリ案内の稲葉の白兎です。

小学校四年生あたりから、
江戸川乱歩を読み出し
ミステリにハマっていった私めですが、

よく考えてみると、
読書や映像に関して、

ほとんどが友人の影響であることを
思い出しました。

ミステリ好きの友人!!

江戸川乱歩も横溝正史も
エラリー・クイーンも
松本清張も森村誠一も
高木彬光も

全部友人の影響です。

友達が何やら熱心に読んでいる。
なあに、それ?

表紙が怖いんですけど(笑)。

「呪いの指紋」。

その子が読後に図書室に戻すと、
速攻で借りて読みました。

面白い!!

私は友達が学校で借りたやつを
ただマネして
後を追ってただけ。

残念だけど、
自分のほうが先!
という作品はあんまりないです。

その子の読んでた「呪いの指紋」がヒットしたんで、「時計塔の秘密」「影男」「大暗室」
「緑衣の鬼」「魔術師」とポプラ社を読み漁りましたが、
友人の方が手を出す順番が早かったですね。

本格推理なだけに、
ネタばらしになるから
内容まで話題を共有することはありません。

その審美眼に目を見はりました。

高学年になると、
その子は刑事コロンボに手を出し、
ついには松本清張に手を出しました。

別な友人で「横溝正史」の犬神家の一族に
ハマりまくった子がいました。

横溝ブームの真っ只中です。

私は横溝にはイマイチでした。

その子が貸してくれたマンガの「八つ墓村」がありまして、
何だコレ?
と最初は読むのを敬遠してました。

その表紙の劇画が面白そうな気がしなかったの
で。

ところが読み始めたら

ヤバすぎる!
怖すぎる!

私めの苦手なスプラッタホラー(笑)

落ち武者伝説は
もうね、怖くて、

あんまりその伝説は好きになれなかったです。

しかし、
濃茶の尼という頭のおかしい老婆が
「八つ墓明神はお怒りじゃ〜〜」と
主人公の青年に嫌がらせを言うシーンに
ハマりました。

双子の老婆が存在感ありすぎ

てか
めっちゃ怖かったです。

「猿の腰掛」だの「木霊の辻」だの、
鍾乳洞の迷路が描かれた地図が
なんともミステリアスかつロマンチック!

連続殺人の犯人を当てるというより、
主人公の冒険そのものが面白かつたです。

その本は上巻でして、

また、いいところで「つづく」。

これは兄弟はもちろん社宅の友人にも読ませました。
又貸しではないですぞ。

そしたら皆一様に
「面白い!つづきが読みたい」となったワケです。

怖面白い。

落ち武者伝説と、
多治見要蔵の32人殺し

どちらも怖い。

主人公が八つ墓村に帰省してから起こる
殺人はまた興味深い。

濃茶の尼を、犯人ではないかと考える私は
よほどの甘ちゃんでしたね。

いかにも変わり者で、目立つ人は
犯人ではないというのに。

双子の老婆も疑いました。
80を超える老齢で、
いくら怪しくても現実味がありません。

でも容疑者がほんとにいなくて‥。

下巻を手にした喜び!!

上巻からさらに殺人劇は加速して、
最大の容疑者も犠牲者に。

主人公の達也が
怒り狂った村人の集団に追い回されるシーンは
殺人以上に怖かったです。
魔女狩りみたいだったので。

伝説にいろどられたオカルトもどきの村で起きた殺人は
決して狂人の仕業ではなく
キチンと整合性が取れていました。

犯人の正体は実に意外で、
驚きを隠せませんでした。

怖さと推理のバランスがちょうどいいだけでなく、
怖さも、程よかったです!

怖さ80%濃度。

原作を読んだら、犯人の頭の良さと、
計画にビックリです。

8人の犠牲者は、
実に巧妙に計算し尽くされた上での
選ばれし人でした。

この八つ墓村という作品は
国家遺産レベル。

何回もリメイクされる映像作品。
一番よかったのは渥美清主演のやつですね。

田中邦衛と山崎努の演技は素晴らしい。

迷路で死ぬ最後の犠牲者が可哀想でした。

犯人の顔を見ています。

「呪いの指紋」も
お化け屋敷の迷路で
犯人と戦って死にました。

八つ墓村の魅力は
この鍾乳洞の迷路にあります。

「人狼城の恐怖」フランス編は、
招待客が城のホストの趣向により
鍾乳洞までピクニックに出かけました。

お化け屋敷
鍾乳洞
迷路

怖面白いです。