こんばんは。

ミステリ案内の稲葉の白兎です。

「白い巨塔」は、
医療が舞台だけど、
やっぱり社会派ミステリーだ!
と思いますね。

それは社会派ミステリの代表・松本清張が
書いたものかと思うほど、
ドロドロがあり、
学術的な部分もたくさんあるからです。

先週、令和版「白い巨塔」が放映され、
興奮冷めやらずです。


岡田准一が主役と聞いて、
ぜーーーッタイ見なくては!
と思いました。


過去に映像化された「白い巨塔」は、4本見ました。

見た順番で言うと、

村上弘明
田宮二郎映画
田宮二郎テレビ
唐沢寿明

白い巨塔は、1978年でしたか、
日曜のフジテレビで「日本沈没」やってた頃、
土曜日の同じ時間帯に白い巨塔やってました。

中身は見てないけど、
オープニングは覚えてます。
わりと人気があって、
田宮二郎さんが自殺したこともあって
話題になりました。

裏番組を見てたのか、リアルタイムで見ることは
ありませんでしたが

ただ、主役の先生が医者なのにガンで死ぬことは知ってました。

大人になってリメイクされたので、白い巨塔を知るチャンスか巡ってきました。
主演は村上弘明。
前後2回に渡り放映。
これが原体験。

背が高くカッコよかったです。
悪い先生でしたけど。
財前のライバル里見センセ役は平田満。
なんとピッタリ役のことか!
でも、覚えてません。

覚えているのは、
堤真一演じる柳原という若い医者。
あの事件の担当医。

堤真一が若い時、この柳原をやったなんて、
おそらく覚えているのは稲葉の白兎くらいだと思います。

イケメンに関しては超人的記憶力を持つ稲葉の白兎。

唐沢寿明版の柳原は伊藤英明だそうですが、
しっかり見たにもかかわらず。
伊藤のイの字も覚えてない(>人<;)

なんか、柳原って卑怯な奴だな、という負の印象ですね。

財前が教授になって初めての手術患者が死に、
そのズサンな対応や処置を知っている
当直医の柳原。

財前は遺族に訴えられ、
医療裁判の大事な証人となった柳原。

堤真一を覚えているのは、
❶ハンサムだったから
❷意外な役柄だったから
(本当の事を言うと約束しておいて、裁判でダンマリを決めてしまった。おい、おい!
最後は病院だか医者だか辞めました)
❸彼とほぼ同年代だったから

結局、医療裁判で負けた財前は、
ガンが発覚して死亡。
こういう話だったのね。

次に唐沢寿明。
村上弘明は、前編・後編の2日というコンパクトなストーリーで終わりましたが、
これは、東教授との確執や、くれない会、
愛人とトンデモ奥さん、
教授選挙の虚々実々と、
長いスパンでやりました。

俳優陣は、人数、その他が大河ドラマなみ。

唐沢は田宮二郎と随分イメージが違うと思いましたが。
医療裁判の後半から、
原作を購入。

山崎豊子・全5巻。
めっちゃ面白くて、
ついつい先回りしてオンエアを追い越して、
全部読んでしまいました。

あれだけ憎たらしかつた財前なのに、
死ぬとなると、やっぱり泣いてしまいました。

財前を語る上で欠かせないのが、
里見助教授。

正反対のタイプの同期のセンセ。

江口洋介が演じてましたが、

ちょっとやり過ぎでは?と思うくらい、
正義を押し通す先生。
相手が財前だろうと、鵜飼部長だろうと、
怯みません。

財前もヒドイけど、
里見も少し問題児。

しかし、
田宮二郎版を、唐沢と原作のあと観ると‥
里見助教授の山本學が
ピッタリ過ぎて、

田宮二郎が鬼気迫って財前ソックリだったように
山本學も里見そのもの。

頑なというより、
親しみやすさがあった。

だから余計に松山ケンイチのミスキャスト感が半端なくて無念。

岡田准一とか、斎藤工とか、
もっと、素敵な人にやってもらいたかった。

里見は善人というと、誤解を招きます。

信念の人。
幸福な人。
強い人は優しいのです。

威張る必要がないからです。

大きい犬は
大きい犬だぞ、とわざわざ言いません。
わかっているから。

左遷にあっても動じない。

勝つという言い方はおかしいけど、
最終的に、一番いい目にあったわけだし。

本人はそれすら自覚がないようでしたが。


つまり財前は弱いのです。
臆病で神経質で‥
コンプレックスの固まり。
外の状況に振り回され過ぎ。

策略して、おもねって、隠蔽して、
意地悪して、見下して、強がって‥‥。

後半は、自分を追い込みすぎてました。

教授になったのだから、
もっとゆっくり喜びを噛み締めて、
少しノンビリしたらよかったのに、

いきなりドイツに外遊に行ったり

そういえばあのドイツのシーン、
本当に現地ロケしたのかな?
ドイツ村で撮影してたりして。🇩🇪


岡田准一は、唐沢より田宮に近かったです。

もし、役で不評な部分があるとしたら、
それは共演者のミスキャストです。

里見助教授と愛人。

愛人さんは、なんて言うか、
重要感なかった。
奥さん以外の人と情事の関係を持ってただけ。

原作では、
人間的魅力と頭の良さと色気があったのかな。


前回の黒木瞳でさえ、
少し??だったですよ。

まして、今回の人は‥


太地貴和子はやっぱり上手かったんでしょうね。

今回は、鵜飼といい大河内といい、
存在感なかったです。

寺尾聡は上手かった。さすが、徳川家康。

ついでに財前の母は
市毛良枝ではなく、
中村玉緒とかだったら、財前を応援する気になってたかも。