こんばんは。

ミステリ案内の稲葉の白兎です。

昭和と令和

30年の開きがありますが、
全然違いますよね。

それは、昨日で最終回を迎えた「白い巨塔」の
令和版で明らか。

昭和の話を無理クリ令和にリメイクしても、
違和感がありますね。

携帯とか、
パソコンとか
流行のものとか

新しいもの出しても、

主人公や周りがモロ昭和でギラギラしてて、
「今時こんな奴いるか?」
と思ってしまうのです。

岡田准一くん演じる財前のキャラは、
あまりにも憎たらしすぎます。

正義派で学究タイプの里見とは、
ウマが合うとも思えませんが、
始めはそこそこ上手くいってたようです。

猫をかぶっていたんでしょうか?

多分、自分の腕がいいことが多少なりとも自覚できた時点で、
威張り出したんでしょうね。

威張らないと損。

彼を邪悪にしたのは、
本人もそうだけど、
周りの人の欲望も大いに関係ありますね。

財前又一という義父です。
前バージョンでは、
西田敏行という愛嬌のある隠れ蓑に
ごまかされた感がありますが、

やはりこの親父が、
元凶ですね。

私は鵜飼よりもこの男が一番、
財前五郎をフランケンシュタインの怪物にさせたのでは?と思います。

その点で鵜飼や東なぞは大した悪ではありません。
鵜飼も政治献金?がなければ、
財前のことは嫌ったと思うんですよ。
個人的には一度だって、彼を慈しんだ様子がありません。
東だけでなく東の家族、大河内、看護師も、
彼を嫌いました。

それを本人もわかってるからこそ、
佃らしょうもない連中しか味方として
アテにできなかったわけですね。

倫理も正義もモラルもない自分勝手すぎる義父が
乗り移ったとしか言いようがありません。

しかし、
彼のバカの一つ覚えの「実弾」という得意技が、ある時、裏目に出ました。

そして、そのままなし崩しに一気に敗北の道を辿りました。

裁判で、変なこと言いそうな証人には
脅しと買収で、法廷に出られなくします。

事件後、亀山看護士は結婚で引退。
念のため、田舎まで口封じに「実弾」をたずさえて押しかけます。

交渉相手はその夫。

義父にとって思いも寄らない展開になりました。

亀山の夫は、作業中、社長だか偉い人に呼ばれます。
「〇〇くんにお客さんだよ」と義父と弁護士を紹介して同席。

ウーン、何て言うか、同席もよくなかったですね。
圧力がかかりますからね。

お前、この人の言うこと聞けや、みたいな。

そして奥さんを裁判に出すな、
そのかわり、コレをどうぞ。

秒で財前の義父に掴みかかる夫。

「バカにするな!!」

札束の入ったバッグを蹴るのも同時でした。

お金さえ出せば、言いなりになると思った、
その心根が許せなかったのです。

これ、わかります。

実に余計なことしましたね。

「君子、裁判に出ろや」ってことになったのは火を見るより明らか。

奥さんから、
悪さを隠蔽しようとしていると聞かされていただけに余計です。

身重なのに証言台に立って、
かつての仲間を弾がいしたことは、柳原や財前を揺さぶりました。

結局、柳原が決定的な事を言って、有罪。

色々考えると、間接的にこの柳原も、
財前をガンにした片棒を担いでるのです。
さっさと財前に引導を渡せばよかったのです。

真実を述べたとは言え、隠蔽の罪は大きいです。
各人に損害を与えました。

無医村に行くことを決意しましたが、
それくらいでないと、
過ちの償いはできません。

なぜか女と一緒でしたが、
そんなの要らないです。

教授候補の婿さんという触れ込みでのお見合いで
女もそれが目当てだったはず。

最後にアンチ財前の東元教授。
選挙で余計な小細工した罪は大きいです。

「あれは教授の器ではない。時期尚早」と、
大河内なり、鵜飼なりに訴えておけば、
財前の教授昇進は見送られたかもしれないです。

どちらにせよ、財前はその内
馬脚を現したに違いありません。

小細工については反省したようですが、

この人も財前のガンの進行を早めた一人です。

現在、平均寿命が一番短いのは、
東大医学部出身の人だそう。

白い巨塔を鑑賞すれば一目瞭然です。

医者に、
特にエリート医師にストレスは付きもの。
何しろ、患者からは、
常に医療ミスを見張られてるわけですから。

知能指数が低い知的障害者で、
ガンになる人は少ないそうです。