こんばんは。

ミステリ案内・稲葉の白兎です。

今夜も松本清張展に行ったぞブログ
パート5です。

ドキュメント映像が観れたのは、
展示会ならではですね。

「日本の戦後の黒い霧」では、
思わぬ昭和の勉強をしてしまいましたが、

紀行「火の路」は、
エキゾチックジャパンといったところでしょうか。

「火の路」は古代ゾロアスター教の聖地・イランで色んな石像をガイドと共に見て回ります。

奈良の石像の説明をする清張氏の声は
とても素晴らしい。

明瞭です。
なんか心地のいい声です。

さて、年代順・作品ジャンル別に
展示物を拝見して
最後に万年筆だのメガネだのを見ました。

そして一番最後に


買ってしまいましたよ。

鉄道マニアの赤塚氏の本が混ざってますが、
清張氏の新刊。

地の指。
湖底の光芒。

「湖底の光芒」は、かなり前半の作品。

絶版になってるのか、
手に入らず、
諦めてました。

まさかの新刊!

「地の指」上・下は、

ひょっとして未読!?

もはや読んでない長編はないはずですが、
(^^;)

「地の骨」とタイトルが似ていて、
地の骨は、内容も覚えているのですが、

地の指は自信がない。

既読を覚悟で買いました。

まとめて6冊、五千円ほど。

タイトルマニアとしては、
「地の‥」で始まる表題はイケてます!(笑)


清張センセはほんとに
タイトルが良すぎて、
それが沢山ありすぎて
ベスト作品を絞りきれません。

稲葉の白兎的には、
四字熟語なんかも好きです。

迷走地図
成獣配列
雑草群落‥

しかし、
中には
タイトルだけが先走ってたり、
内容がまったくそぐわないモノがあります。


黒の回廊
Dの複合
ガラスの城


①「黒の回廊」

いきなり、はあ?
てなタイトルですよね。

意味がわからない。

何でこんな難解なタイトルつけたんですか?

ストーリーは難解どころか、軟派すぎます(笑)。

OLが飛びつくトラベルミステリーです。

デンマークをはじめヨーロッパ主要部を回るミーハーなツアー。

参加者はほぼ若いOLで、
ツアー内容は、若い女性向き。

そこで起こる謎の連続殺人事件。
ミーハーすぎるトラベルミステリーの典型。
しかも犯人探し付き。

めっちゃ読みやすいっス。

だから〜、
タイトルだけがわけがわからない。

森村誠一のトラベルミステリーに
「虹へのパスポート」があります。
これも同じヨーロッパツアー。
連続殺人事件。
犯人探し付き。

雰囲気は似てます。

同じタイトルはまずいけど、
ほんと、「虹へのパスポート」みたいな
軽いタイトルでよかったでは?

あるいは、氏の長編に「奥の細道殺人事件」があります。これも実は内容と一致してると言い切れないんですが、
黒の回廊は「コペンハーゲン殺人事件」でよかったのでは?

②Dの複合

タイトルは文句なくカッコいい。

めちゃくちゃ期待しちゃいます。

さも、謎解きって感じじゃないですか。

ところが‥

Dって何⁇

最後の最後でDらしきものが出てきますが、
あくまでらしきもの。
Dそのものではない。

若かりし頃、この作品に期待しまくって読んだら、
最初から辛気臭い印象が拭えず、
まあ、地味なんですわ。
読むのが辛かったです。

ある程度の大人になって
アンコールで読んだら、
たまたま読んでた神社関係の本とかぶるところがあり、

めちゃくちゃ面白いではないかー!!🤣

謎が解けた時は、鳥肌が立ちそうでした。

それでも〜
「Dの複合」はないやろう。

Dと言われても困るし、

複合もカッコつけすぎ。

この作品は比較的メジャーであります。
探すのも簡単です。


③ガラスの城

ガラスって言うだけで清張センセではないですね。
烏からすのほうがまだマシ。

これがつまらない作品なら、あるいは短編なら構いませんが、

内容、最高❣️

なんてったって、
本格推理小説。
純犯人探し。

トリックがすごい。
前人未踏。

空前絶後。

なのに氏の中ではマイナー作品。

この史上初のトリックを
世間は評価してほしい。

陳腐なタイトルのせいだろうか?

いつものように
「黒の様式」みたいなタイトルつけておけばいいのに。
「屈折回路」
「状況曲線」
「黒い樹海」

面白い作品なのに
タイトルが「えっ?」

というか、作品イメージに合ってない。

そういうギャップを探すのもまた面白いです。