こんばんは。

ミステリ案内の稲葉の白兎です。

推理小説とスポーツ。

スポーツが出てくる推理小説は少ないです。

何十年も前に、
佐野洋「盗まれた嘘」を読みました。
主題は高校野球。

ある甲子園センバツ有力候補の学校が、
部員の婦女暴行事件疑惑が持ち上がり、
出場に赤信号マーク。
そこのかつてのOBが私立探偵に
部員は無実かもしれないので、調査を依頼。

最初はデッチ上げの可能性大でしたが、
ついに関係者を巡って殺人事件まで勃発。
どんどん深みにハマります。

思いもよらない方向に行ってしまいます。

最後に主人公は真犯人を暴きます。
元はと言えば、甲子園に出場するための内部調査から端を発した殺人もろもろでしたが、
犯罪が明るみになって結局、そのT高校は、
センバツ出場辞退になった模様。

模様というのは、
まだ決定じゃないまま、エンドとなるんです。

「調査したおかげで、かえってT高校を追い込んでしまった。調べれば調べるほど、事態は悪い方へと進んだ。
実に皮肉だ」

そして、意外きわまるどんでん返し。

高校野球が好きな人が読むと面白いかもしれませんが、
それ以外の事件が退屈で、
というか、わけがわからなくて、
松本清張の「けものみち」みたいでした。

主人公の名前が回文なんです。
上から読んでも山本山、下から読んでも‥‥というアレです。

そしてやたら回文名の人物が登場します。

丹下玄太

小並木美奈子

どうですか?

雰囲気は赤川次郎っぽいですよね。
ギャグと軽さが散りばめられていて、
最後は意外な着地点。


この本格ミステリを除くと、
スポーツを主題とした作品にはとんとお目にかかりません。
岡嶋二人の「ダブルダウン」は、
ボクシングの試合が絡んでいます。

スポーツとミステリ。

それこそ異種格闘技。

滅多に出てきません。

思うに、
作者自身が運動神経のいい人、
いわゆるアウトドア派が少ないんじゃないでしょうか。

さて、昨日の続きの書籍📚

元日ハムファイターズの我らが新人類・新庄剛志

SHINJYO

の衝撃の告白本「わいたこら」を紹介します。

あれ、老けた?

現役の頃とえらい顔が違うような‥‥。

冒頭から、
驚きの告白。
母方の知り合いで、財産整理を手がけてた人に、
20億を騙し取られるという、
ヘビーなカミングアウトから始まります。

勝手にそのAさんが自分の会社の運転資金に新庄さんのマネーを流し込んでいたんですね。

裁判沙汰になりましたが、結局Aさんは自己破産し、弁償金額は、8000千万のみになったそうです。

借金ではないので、マシと言えるでしょうか?

バリに住むことになって、発覚した横領。
さすがの明るい新庄さんも、
この時ばかりは、アタマが真っ白になり、

とっさに出てきたコトバが

わいたこら

((((;゚Д゚)))))))

九州弁で
「驚いた」

関西弁だと
「なんやてーー!?」

東北弁だと
「じえじえじえじぇっ!」(笑)

しかも同時期に奥さんと離婚。
「バリに住むから離婚して」
とメールで告げたそう。

うわっ。

奥さん
「はあ?意味わかんない」

私も、新庄氏がフツーでないことは知ってましたが、
これには驚きです。

奥さんに同情しますが、
新庄氐ならやりかねないと言うか、
この非常識さも本人の一部なんでしょうなぁ。

さすがに億単位の慰謝料を約束したと思いますが。

こういう人の奥さんですから、
ある程度、覚悟を持ってたというんですか、

はい、と承知するほかなかったでしょうし、
事実、すぐにオーケーしてくれたそう。

なかなか頭のいい奥さんだと思います。

とにかく、離婚についても
新庄らしい。
と言えます。

バリは、日本の十分の一の物価で暮らせるそうなので、

残りのお金で豪邸を建て、
乏しい貯金の残高を眺めつつ、
質素に暮らしてる
でも楽しいとのこと。😁


横領されたと分かるまで、
プロ野球選手になって以来、
一度も自分で残高の確認をしなかったとか。

とにかく、任せっきり。

なので、最終的には自分が一番悪かったと
告白しています。

仰天エピソードは、この後も
生い立ちや阪神タイガースの選手時代、
とてんこ盛り。

知られざるそのエピソードは、
どれも驚くことばかり。

元々何をやってもイヤミのないキャラクターでしたが、
実はすごい壮絶な土台の上に成り立っていたわけです。

その辺の自己啓発本より
わかりやすい
面白い。

参考になりまくるというか、

心に刺さりすぎて、
読後は
ぼーっとしてしまいました。

一言で言うと、
彼はスター。🌠

スーパースターとして、生まれてきたんだな
と思います。

だから人徳も持ってます。


常に人の先を行くSHINJYO。

人に言わせると、
奇抜とも。

北海道のそれもパリーグのチームのイメージ一新に貢献。

注目を浴び
周囲をなごませ、
子供にユメを与え

野球選手のくくりを超えたスーパースターです。

次に期待するのは、
カントクとしての新庄剛志。

お父さんのエピソードが特に印象的です。

お父さんもフツーじゃないです、
当然ですが。

でも、ごく普通の
仕事に関しては厳しい職人さんです。

一見、奇想天外な発想、行動のSHINJYOさんですが、
自分の強みを、
最大に引き出す、注目するというのは、
凄いことです。