こんばんは。
ミステリ案内・稲葉の白兎です。
今日は、衝動買いをしました。
手品の道具と、2016ピースパズルと、本。
本は、衝動買いに当てはまりませんね。
何気に本屋に寄って、
目的はありますが、
あっ、コレ面白そう! とパラパラめくり、
立ち読みがめんどくさい、
買ってしまえ!
あるいは
前から探してた。
この作者のファンだから信用できる
そういうパターンでレジに持って行くので、
それって普通ですよね?
本は衝動買いの範疇に入りませんが、
普段買わないもの、
リスクが高いものをその場のヒラメキで買うのは
衝動買い。
リスク高いですが、
満足度は高い。
計画的に買うのって、
吟味して、日にちをずらして買うのって、
満足度は低くなりますね。
2016ピースのパズルは、
去年の夏に挫折してますが、
押入れに冬眠中なのに、
あまりにも絵柄が気に入ったので、
買ってしまった!
まぁ、その絵柄は明日かあさってにでも紹介します。
別に買うなら買うで、もっと安く買える、
量販店・某ヨドバシカメラがあるのですが、
結構ブツが重たいので、
その店で買いました。
さてさて
松本清張の大長編時代小説「天保図録」。
何度もブログでわらひは、
清張は歴史作家、
あるいは評論家だ、
と訴えています。😅
大河ドラマを毎年見てると、
いやでも歴史人物に詳しくなるんですが、
清張センセの例えば豊臣秀吉論みたいな文を読むと、スルドいとか感じるわけですよ。
それも、グダグダ言うんではなく、
パッパと両断。
佐々成政なんかは、
もうヒドイですね。
彼を主人公にした短編を読むと。
でも必ず、その人物を研究した上で描いてるから、めちゃくちゃ安心です。
さて、日本史で必ず習う江戸時代の三大改革。
享保の改革
寛政の改革
天保の改革。
時代が下るにつれて、改革もヒドくなります。
なぜなら、幕府の財政が破綻しているからです。
11代将軍・家斉はひどかったです。
とにかく金遣いが荒い。
歴代の将軍の中でも、一番長生きをし、
将軍職も長く、
側室の数と、生まれた子供の数もハンバーワン。
そりゃ、金かかるわ💴💴
財政破綻はコイツのせい。
そして最悪な改革が最後の
天保の改革。
実行者は老中・水野忠邦で、
補佐した将軍は家斉の子・家慶。
この水野忠邦、
悪人ではない。
ただ、出世意欲が異常に高かった。
元禄時代の側用人・柳沢吉保を彷彿させるが、
彼ほど要領は良くなかったと言えます。
水野忠邦は、元々は佐賀の鍋島藩の田舎大名。
それがどうして、中央の政権の真っ只中の老中職に就くことができたのか?
一に賄賂。
二に賄賂。
それは半分本当ですが、
とにかく、中央で政治がやりたい野望があったようです。
そのためには、手段を選ばず、
反対する家臣を無視して、
わざわざ10万石も低い浜松藩へ国替えしたほど。
しかし、その甲斐あって、
トントン拍子に出世し、老中を11代将軍の頃から兼任するようになりました。
水野忠邦はバカではないし、
むしろ真面目で、数字や実務に明るかった。
ただ、どこか世間知らず。
人間の機微というものをわかってなくて、
小手先の改革に、走ったわけです。
芝居小屋の禁止とか、派手な髷や振袖の禁止とか、贅沢の禁止とか、
くだらないし、
庶民はおろか、大名、将軍や大奥にまで反発を食らってしまいました。
学校にいるアタマの硬い学年主任のような奴ですね。
お勉強クンみたいな老中ですね。
そこを悪人・鳥居耀蔵に狙われ、
利用されます。
鳥居耀蔵は、この老中のフィクサーに回り、
やりたい放題。
鳥居は、実在の人物で、
「蛮社の獄」の実行犯。
蘭学者・高野長英らを迫害するわけです。
鳥居耀蔵はただの目付けでしたが、
北町奉行を追い出し、
北町奉行になり、やがて南町奉行も牛耳り、
どんどん権力の中枢にのし上がります。
この2人の悪にもう1人が参加します。
三伊右衛門とか何とか言う名前の銀貨つくりの人。
史実をバックに、
抜群のストーリーで
話は展開。
江戸幕府が破綻し、
黒船の出現で、
さらに弱くなる話。
3人の悪人は、
と言っても、悪人は鳥居耀蔵だけですが
3人とも地に失墜します。
1人は失脚し、
1人は刑死、つまり死刑になり、
1人は罪人として牢獄暮らし
12代将軍・家慶は
全てを水野忠邦に任せ、
やる気のない、影の薄い将軍に。
ひとえに、前の将軍が強烈過ぎて、
スポイルされたのでしょう。
家慶が芽生姜🌱が異常に大好物
という、どこまでが事実で、
どこまでが清張センセの創作かわかりませんが、
このエピソードがピカイチ。
芽生姜🌱が食べたくなります。
気の利かない水野忠邦は芽生姜を
改革と称し、取り締まってしまいました。
わしの芽生姜が〜〜〜〜
家慶、激怒💢
食べ物の恨みは怖い。
そして、大奥も怖い。
大学入試に出るであろう、
この悪名高い「天保の改革」は、センセの天保図録を読めば、
丸っとわかります。
失敗したのは、風紀や奢侈の取り締まりだけではありません。
印旛沼の開拓も頓挫したのです。
これは意外に知られてません。
そして大変大事なのが
上知令。
じようちれい、あげちれいとも読みます。
これは試験に出るでしょうね。
これは、実行には移されませんでした。
これを計画したのが水野忠邦の命取りに
なったようです。
これ自体の政策・計画は悪くなかったけど、
持って行き方がよくなかった。
反対されて当たり前ですからね。
何しろ、大名の土地が直轄地として幕府に取られるんですから。
この小説を読んで、
日本史の授業に臨めば、
学校の先生もそこまで詳しくないはずですから、
意地悪な質問をして困らせることができますね。
印旛沼の開拓などがそうですね。