こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
松本清張作品の映像作品の中でも、一二を争う「疑惑」。
タイトルが今ひとつで、
それもそのはず、原作も短くて、大して面白くない。
しかも時代小説にも「疑惑」というタイトルの作品があり、ややこしい。
とにかく、
原作から完全に一人歩きした作品で間違いないです。
映像の「疑惑」は素晴らしい。
特に毒婦・球磨子の(くまこ)のキャラクター。
桃井かおりにピッタリ。
あまりにもハマり過ぎて、
どこまでが演技?
天然でやってるのか⁇
と思うくらい、リアリティーがあります。
嫌な女、
とんでもない女
天性の魔性、
下品で知性のカケラもない女。
この女にたぶらかされた男は、
哀れな末路を辿ることでしょう。
それとは対照的に、
岩下志麻演じる弁護士の佐原。
辣腕
敏腕
やり手
頭脳明晰
キャリアの鏡。
しかし、このコンビは、
凶。
わがままな球磨子が、
どうも、この出来過ぎ弁護士がカンに触るようで、
「アンタ、頭わりーんじゃね?。しっかりしてよ」とか
:(;゙゚'ω゚'):
上から目線で吠えまくる。
女同士ってことで、
立場をわきまえず、同性目線で、
ガチで張り合おうとするワケです。
そんな、ヤな女のクライアントを救おうとするエライ弁護士さん。
ところが昨日の米倉涼子は、
そんな球磨子を
さらに上から目線。
球磨子を救いたいではなく、
自分のキャリアのための道具と割り切ってる。
生活もゴージャス過ぎて、
生身の人間感が不足気味。
岩下志麻サンは、球磨子にひどいことされますが、
あまり内面をさらけ出さない忍の演技。
米倉涼子氏は、現代っ子ふう。
球磨子に翻弄される気なし。
ゾッとするほどの毒婦ですが、
だからと言って、
殺人者として無実ならば、
有罪にするわけにはいきません。
こういう人の弁護をする弁護士は、
悪く言われてナンボですね。
被告の人間性などに引っ張られてたら、弁護士なんてできません。
球磨子をつとめる黒木華を見て、
田中裕子に似てると思いマシタ。
顔も実際、似ています。
地味なパーツ、平面顔。
今回は、ハデに決めて、
華やかさもありました。
不美人だけど、
魔性を演じられる女優。
田中裕子の出世作・清張の「天城越え」を
ぜひ、黒木華にやってもらいたいです。