こんばんは。

稲葉の白兎です。

松本清張ミステリ案内人をしております。

松本清張は、主に推理小説の人ですが、
ドキュメンタリーあり、
時代小説あり、
恋愛小説あり、ルポルタージュあり、
「日本の黒い霧」など、
難しい暗黒の政治部門にも切り込んでいます。

まぁ、めちゃくちゃ幅が広く、
小説界の手塚治虫です。

そのなかで、「私選日本合戦譚」のような歴史エッセイは、
その視点がすごい。

もう、歴史教授に匹敵してます。

この作品がメジャーでないのが信じられないくらいです。

松本清張の選ぶ国内戦争9選。

日本三大奇襲戦の一つ、「厳島の戦い」が入ってます。

何で桶狭間を差し置いて厳島の戦いを選ぶのか?

その戦いが特に気に入っているのは、
毛利元就の腹黒さを気に入ってるのです。
手の込んだ二重スパイの作戦です。

桶狭間の戦いを省いてるのは、
「姉川の戦い」で、織田信長に触れてるので、
敢えて同じようなメンバーを避けてるのかもしれません。

ところで、
そんな清張の選ぶ9戦の中に
「南北朝時代」が入ってないですね。

別にいいんですけど。
南北朝は、無視しても困らないですし。

大河ドラマでも
たつた一度しか取り上げられていません。

ハリウッド俳優・真田広之主演の
「太平記」のみ。


これ、マンガです。

しかも、この2冊は、
上下巻じゃないんです。

足利尊氏の下の本は
「楠木正成」なんです。

つまり、足利尊氏から見た南北朝時代と、
楠木正成側からの太平記です。

南北朝時代とは、
後期鎌倉時代から、室町幕府中期ですね。

この複雑で長い時代を理解するのは、
並大抵ではなく、
むしろ、「足利尊氏」の生涯を理解したほうが早い。

なぜなら、その中心人物だからです。

彼を中心に、全国に武将・公家が放射状に
相関図が描けます。


流石の清張センセも、
太平記はめんどくさかったのでしょうかね。

それともセンセの大嫌いな
英雄がウヨウヨしてるからでしょうか?(笑)

楠木正成あたり。
新田義貞あたり。

話を「太平記」に方向転換します。

5年ほど前ですか、
真田広之の「太平記」完全版を鑑賞したのは。

リアルタイムで一回見てるんですが、
前半の鎌倉幕府を倒したところまでで、
後半は全く見なくなりました。

当時の人気俳優が、
ベテランを含めて、

これでもか、

というほど出演してます。

当時は、そんなに感じなかったのですが、

今、観ると、
「すご〜い」😻
としか思えない空前絶後の豪華キャスト。

いえ、ホントに。

大河の俳優陣はいつも豪華ですけど、
太平記は、ナンバーワンだと思います。

真田広之、沢口靖子、緒形拳、柳葉敏郎、
片岡孝夫、フランキー堺、樋口可南子、柄本明、
陣内孝則、近藤正臣‥‥

①美少女3人組が出てた

後藤久美子、宮沢りえ、小田茜。

②片岡鶴太郎の怪演。
お笑いから俳優への方向転換。

③武田鉄矢の楠木正成がハマる
④テーマ曲が素晴らしい

主役は誰?
というくらい、脇役の人たちがまぁよく動くこと。

足利尊氏は、決して濃い人物ではない。
気前が良く、優しく、人望がありました。
そのせいで、身内の相剋も生まれましたが‥

それから、佐々木道誉。
バサラ大名です。
派手で芸達者で愉快で、
その上、機を見るに敏、要領が良い、
足利尊氏の良き友になります。

演じるは陣内孝則。

この人が出た瞬間、誰もが釘付けになります。

さて、同じマンガの太平記でも、


作者が違うと、
全く違うのに驚きます。

内容は同じです。

鎌倉幕府は滅ぼされます。

なのに、
どういうわけか、

足利尊氏・佐々木道誉の2名が
妙に悪い人に描かれています。

そして
後醍醐天皇の南朝側、
足利直義などが、

良い人物に描かれています。

もう悪意丸出し。

後醍醐天皇といえば、
悪名高い建武の新政を敷き、
悪あがきした天皇。

敢えて視点を後醍醐天皇に変えたのか、
いささか不愉快。

楠木正成が持ち上げられるのはお約束としても、

視点が一方的なんです。

尊氏は朝敵。

その親友・佐々木道誉までもが
ヒドイ人物にされてるのに至っては、

作者の悪意を感じます。

そして、それらに対して
何の解説もないです。

一体何が言いたいマンガなのか、
さっぱりわかりません。

足利尊氏を悪く描くのが目的?
つまりアンチ北朝。

そして、この作者、
バサラがどうもお嫌いなよう。

読むなら横山さんの「太平記」をオススメします。
こちらの方が感情移入しやすいです。
絵も上手いですしね。