こんばんは。
って昼です。
ミステリ案内人・稲葉の白兎です。
歴史もミステリの内ってことで、
「西郷どん」は今年、大いに楽しみました。
DVD「飛ぶが如く」を数年前に見て、
幕末はもちろん、
西郷隆盛と大久保利通の、2人の生涯は
予習済み。
飛ぶが如くは、2人が主人公でした。
鹿賀丈史さんは
瑛太さんに負けず劣らず、
カッコいいです。
その後に読んだ松本清張の
「私説日本合戦譚」。
国内で起きた7つの合戦を選び、
それに松本清張センセが独自の解釈を述べています。
姉川の戦い、厳島の戦い、関ヶ原の戦い‥。
そして最後が「西南戦争」。
なぜ西南戦争が起きたのか?
大将の西郷隆盛はどういう性格なのか?
主に西郷さんにスポットが当たっています。
相手役の、大久保利通については、
それほど言及がなされてません。
ただ、2人の最後の別れの時、
大久保が西郷に対して直接言い放った不満、叱責、暴言?
を側で聞いていたアンチ西郷の、
大久保のパシリの、
元長州藩の伊藤博文が、
「あの言い方はちょっとヒドイと思います」
とボソッと大久保に述べて、部屋を出た
というエピソードを載せているのが印象的な程度。
無論、2人の会話は政治を離れ、
私的なものであり、
感情が含まれた、大久保の一方的な捨てゼリフであります。
西郷が帰国を決意し、その準備が済んで、
いわば大久保は見送る挨拶を兼ねての会話の出来事です。
ところで、清張センセは、
多分、英雄・ヒーローがお嫌い。(笑)
英雄視することで、事実が歪められるのがイヤなんだと思います。
なので、「西南戦争」に限らず、
他の歴史ものでも、その分析力はズバ抜けていて、しかもわかりやすい。
ところで、大河ドラマでもそうですが、
ひたすら大久保利通は嫌われてました。
西郷さんを殺した張本人というフィルターを外して、
大久保利通個人で見るとしても、
あまりにも功績と比べて、評価が低すぎます。
勝者だから、でしょうか?
源頼朝も足利尊氏も、人気ないですもんね。
でも大久保の場合、
それが前者と違って
ほぼ嫌悪、それも生理的嫌悪にまでなっているところがあります。
明治維新、もう1人、功績に比べて極端に人気がない人物がいます。
大村益次郎。
誰、それ?
それがもう人気のない証拠(笑)。
活躍時期が短い。見せ場がない。
陰キャラ。
大河ドラマ「西郷どん」では、
江戸城無血開城の時、会津征伐の前、
ワンポイントリリーフとして登場。
大村益次郎は長州藩の医者。
連れてきたのはおそらく桂小五郎。
どうして連れてこられたのか?
天才軍略家。
だからです。
一番危険な箇所に薩摩の兵士が付く配置図に
西郷は、
「薩摩に死ねということですか?」
「そうです」
冷たい、空気読まない、全てに無頓着
この人が来たお陰で、江戸城の彰義隊に対して、
一日で撃破することができました。
ドラマはここでお役目御免。
ちなみにこの人もアンチ西郷の匂いがします。
何しろ、西南戦争が起きるのを予測しており、
武器弾薬について、政府に指示をしてた形跡があるくらいです。
維新直後に、暗殺されます。
その暗殺一味に長州も何人か混じっていたそう。
徴兵制を提案したからであり、
藩に関係なく、士族の反発を買ったでしょう。
英雄の条件としましては、
負けておくこと。
細かすぎないこと。🙅♂️
無口すぎないこと。
一気呵成に断行しないこと。
エピソード・名言をこしらえておくこと。
ビジュアル、イメージを作っておくこと。
嫌われてはいるけど、大村、大久保も
歴史では出てくるべくして出てくるんですかね。
しかし、西郷の場合は、外国でも珍しい不世出のキャラクターのようですね。