こんばんは。

ミステリ案内人・稲葉の白兎です。

サスペンスを含めた普通小説と本格推理小説の違いは何か?

手品と本格推理小説は似てるといいます。

トリックがあります!

「タネも仕掛けもありません」は決まり文句で、
もちろんあるに決まってます。

不思議な現象の裏には必ず必然的な
理由・トリックがあります。

本格推理小説の手品と比べてよいところは、
それは稲葉の白兎が勝手に思ってることですが、
不思議なことへの解答があることです。

ほぼ95%回収してくれます。

手品も友人ならトリックを尋ねることができます。

手品と本格推理の違いは
タネあかしの後です。

たいてい前者はガッカリします。
聞かなきゃよかった。
あまりにあっけない。

芝居の舞台裏を、楽屋を見せられたような感じ。
他人の生活感丸出しを見せられた感じ。

推理小説の場合は、
犯人やトリックが分かると、

「そうだったのか!!」
と唸ります。

ハズレた悔しさはありますが、
説明されると
なるほどと思います。
そして整合性がとれたことでスッキリとします。

数学の問題集の解答を合わせたに近いです。
数学でなくてもよいのですが。
答え合せですね。

さすがに問題集とは違うので、
解答が何もかも合うということはないですけど。

たいていは、
「そうだったのか!」
となります。

江戸川乱歩の「悪魔の紋章」
ポプラ社バージョンは別名「呪いの指紋」を例にとりますね。

私が不思議でならなかったのは、
この作品のメイン、
タイトルにもなっている
犯人のシンボルである三重渦巻きの指紋が
事件現場に必ず登場し、
これ見よがしに残されていることです。

矢鱈に多い犯行声明。
予告。
置き手紙。

いつ、入ってきたのか?
後をつけて来たのか?


なぜ、何もかも知って、
いつでもどこでも影のようにまとわりついてくるのか?

目立ちたがり屋なのかな?
自己顕示欲が強いのかな?

己の指紋を誇示するなんて、
クレイジー過ぎます。

密室にも犯人の指紋が残されていました。

神出鬼没過ぎます。

殺人も平気でする凶悪無残さ。

犯人はいつでも警察や探偵を先回りをしているのです。

そして、事件関係者の指紋の照合で、
誰もそのような禍々しい指紋は有してませんでした。

納得がいきません。
そんなバカな。
何かがおかしい。

読まないでしょうから
あるいは読んだでしょうからトリックを言いますと、
その指紋は実はスタンプになっており
誰でも押せるものでした。

(゚ω゚)
つまり、犯人は必ずしも三重渦巻き指紋の持ち主ではないのです。

三重渦巻きの指紋の持ち主は実在してましたが、
犯人どころか、
被害者もいいところでした。
そして、意外と身近にいました。

犯人はターゲットの身内に三重渦巻きという珍しい指紋の持ち主がいることを知り、
それを徹底的に利用することを思いついたのでした。

指紋=スタンプ

これだけでも、かなりの謎が回収されました。

そうなると、

アレも
コレも
アノことも
気になってた謎は全部、

説明がつきました。
全部の説目を聞かずとも、

どおりで!
変だとは思ってたけど。

全て腑に落ちたのでした。

探偵サン、謎を解いてくれてありがとう。

眠れます(笑)。

感動的ですらありました。

犯人もようやるわ。
しつこいわ。
そこまでやればノーベル賞が取れるではないか。

小学四年か五年の時です。
この一冊をキッカケに
次から次へとポプラ社の明智小五郎シリーズを読み漁ったのでした。
🤔