こんばんは。

ミステリ案内人・稲葉の白兎です。

本日の夜「乱反射」が放映されました。

原作・貫井徳郎。
主演・妻夫木聡。

ミステリと言っても社会派作品ですね。

犯人探しと、宣伝してましたが、

殺人事件ではありません。

事故死です。

強風のため、木が倒れ幼児が下敷になって亡くなりました。

妻夫木はその父親。

木が倒れるまでに、
あるいは子供が死ぬまでに
因果関係がいくつも絡み合います。

市の職員
市から依頼された木の調査員
近所の犬の散歩者
道路拡張反対運動の婦人たち
病院の非常勤医師

この人たちのいい加減な行為が
自己中的な行為が
微妙に絡み合い、
木が倒れ無関係の親子を襲います。

まだ息の合った幼児でしたが
近くの病院の非常勤医師は
「忙しい」と診察を断ります。

長蛇の列の患者は緊急性を要しない診療なのに。

良心のある看護士が親子に同情して詰りますが
どこ吹く風の若い医師。

そして肝心の本人は、
家庭ゴミを公共施設のゴミ箱に捨ててました!!

だからだよ!

アンタもやってるじゃん。

そのモラル無き行為のせいで
誰かが事故に遭ったら‥

糞の始末をしない犬の散歩者がいて、
潔癖症の樹木調査員が
糞にたじろいで
義務を怠り、
強風で木が倒れることになった訳です。

糞の始末をしない犬の散歩者と
家庭ゴミを他所に捨てる主人公

同じです。

タイトルの「乱反射」はそーいう意味。
🤔

モヤモヤとした最後でしたが、
貫井徳郎氏の作品にはよくあること。

後味の悪さには定評があります。

貫井徳郎と妻夫木聡。

この組み合わせは、

去年の映画「愚行録」と同じ。

しかも新聞記者。

テレビスペシャルの方が豪華キャストでした。

原作者の貫井さんは妻夫木を気に入った模様?

「愚行録」は乱反射とは比べものにならないくらいの残酷な事件を扱い、
サイコ
本格
近親相姦

と言ったガジェットを搭載。

誤解を恐れずに言うと、
貫井氏の作品の中でも「愚行録」は大傑作。

何度読んでも飽きません。


本格作品は、
あるいは作家は、

なかなか映像化されず‥。

貫井徳郎の才能には以前から注目してたので
嬉しい限り。

「殺人症候群」もWOWOWでドラマ化されたようだし、

乱反射‥すっかり内容を忘れてました。

「空白の叫び」は、
前編・中編・後編からなる大長編作品。
3人の少年がふとした事で殺人を犯し、
同じ少年院で初めて顔を合わせ、
出所後の話も続きます。

後味の悪さは一、二を争います。

この3人のうちの1人がガンプラを使用人の少年に壊された事が、直接の動機になってます。


この小説で
初めて「ガンプラ」という言葉を知りました。

ガンダムに出てくるロボットのプラモデルの事です。

作るのが大変難しいそうで、
だからこそヒットしたらしいです。