こんばんは。
稲葉の白兎です。
ドイツ人にとってはドイツ旅行は国内旅行ですね。
私も、フランスやドイツではなく、国内旅行しました。
上の二枚は内宮の写真。
川はライン川ではなく、五十鈴川。
下の抜けるようなので青空と湖の写真は、
鳥羽の真珠の養殖で有名な賢島です。
この伊勢旅行の話をもっとしたいところです。
さて、
「人狼城の恐怖」のドイツ編は、
懸賞旅行ツアーです。
このグループは、フランスの国境付近の都市・
ザールブリュッケンで食事をしてるところを目撃されたのを最後に消息を絶ちました。
行き先は「銀の狼城」。
ツアー客は伯爵貴族の所有する人狼城へ案内されます。
案内人は、雇われ添乗員のトーマス・フッテン。
両方の城とも、伯爵が初日留守でした。
銀の狼城のほうは、最後まで主人は姿を見せず。
伯爵夫人は年齢不詳のこの世のものとは思えない美女。
ここの城でも、ツアー客や城の使用人などが顔なし首なし死体となって発見されます。
ある晩の水差しの中には、イチイの実の毒が入っていて、それを飲んだ者3人が死亡したりします。
イチイの実と言えば、青の狼城で、
ミューラー教師が、紅茶を飲んでしばらくしてから、死んだ時と同じ毒物です。
とにかく、相似形のように、青の狼城と銀の狼城のゲストたちは、殺人鬼に翻弄されます。
そして、事件が起きるだけ起きて終了します。
なので、読んだ後、ものすごい消化不良です。
すぐさま、逆の城側の事件編も読みますが、
何も解決せず、同じです。
城に招待され、ピクニックに行くなど、最初は楽しく過ごしますが、
3日目の朝に城の鉄扉が封鎖され、観光団や使節団のメンバーは、次々と謎の死を遂げます。
特にフランス側のサロンのメンバーは、
人狼の仕業ではないかと思うくらい、
常識では考えられない死に方をします。
ある者は首を飛ばされ、ある者は、鍵のかかった牢屋でバラバラ死体になり、
ある者は何の変哲もないはずの紅茶を飲んで死んでしまいました。
しかし、れっきとした推理小説なので、
人狼がやりました、というのはないはずです。
サロモン警部は、人狼がサロンの派遣メンバーに取り憑いたと言いました。
結局、それは方便で、本当の目的はローラント・ゲルケン弁護士の抹殺にありました。
それにしても不可解です。
人狼城の使節団に加わるだけなら、そんな手の込んだ嘘をと言うより、
そんな荒唐無稽な話を作る理由がありません。
相手は仮にも弁護士です。
しかも、リケ博士という科学者まで呼んでアストラル兵士を説明させています。
国税局職員2人が青の狼城のシユライヒヤー伯爵を訪ねたきり、戻ってこないというのも気になります。
どの辺までかはわかりませんが、全て嘘というのでもない気がします。
そして必ず整合性や必然性といったものが現れるはずです。
「探偵編」は、2つの団体が消息を絶ったことを、新聞記事で見つけた探偵が、
疑問を持つところから始まります。
銀の狼城を満身創痍で脱出したテオドール・レーゼの聞き取りをした精神病院長の記録が、
ある新聞記者の手に入ります。
一方、川の上流から流れてきた樽の中のゲルケン弁護士の日記をジプシーの娘・ローズが手に入れます。
この2つのグループの手記が探偵の元に届けられます。
もちろんこれは事件を解く重要な手がかりです。
2つの男性の手記は、探偵に大きな驚きを与えました。
探偵がフランスとドイツを股にかけて真相の究明に当たりますが、
大事な参考人は、ことごとく先を越されるようにして亡くなってました。
リケ博士と、ローズの祖母は、何者かによって、命を奪われておりました。
ローズは、自分も見えない敵から狙われていると探偵に言い残し、
姿を消します。
テオドールは面会謝絶。
それから、パリの青年検事補テルセは、
サロモン警部とローラントを人狼城に送ったことを激しく後悔するあまり、
アル中になっていました。
ローラントの叔父は自殺しました。
サロンの使い込みがバレたり、色々悪事が明るみになったせいです。
手がかりはこうして、ふさがれています。
探偵は諦めません。


