こんばんは。

稲葉の白兎です。

「人狼城の恐怖」は長い作品のため、
解説も長くなっております。

10記事くらい更新したでしょうか?

甲冑の化け物をやり過ごし
サロモンとローラントの2人だけになりました。

移動したため、サロモンのお腹の包帯からまた血が滲みました。

「ローラント、俺の部屋の引き出しに拳銃がしまってある。それで化け物を殺せ。
俺を置いて早く逃げろ」

「何を言うんです。一緒に人狼を殺すんです。
そして2人で城から脱出するんです」

「俺はもうダメだ。なぜ、こんな俺を助けるんだ?」
「当然じゃないですか?僕たちは仲間です」

突然、サロモンは耳を疑う事を言います。

その前に、なぜこのサロンのメンバーは、
災いが降りかかっても、城から今まで脱出しなかったのか、不思議に思ったことでしょう。

ローラントは恋人の忠告を聞かずに城を訪れた事を何度も日記に悔いています。

モースが殺された時点で、とっくにそうしてもいいはずです。

3日目の朝、シユライヒヤー伯爵は重大な発表をします。

「大変な事が起きた。主要門の鉄扉という鉄扉に鍵がかかっている。我々は完全に城から閉じ込められた!」

だからこそシュライヒャー伯爵は、素性を偽って参加してるメンバーに神経質になったのです。

この訃報を聞いた瞬間にモース、アノー、シャリスがパニックになります。


伯爵一家と独立サロンの男たちは3手に分かれて、確認に行ってます。

扉や窓のいくつかは開いていましたが、
そこは断崖絶壁があるのみ。

シュライヒャー伯爵の言ったことを裏書きするだけでした。

牢屋に入れられる事となった元ゲシュタポのランズマンの扱いが必要以上に厳しかったのも、
それが原因でした。

モースが殺されたのも、城探検の真っ最中の出来事でした。


さっきのシーンに戻ります。

サロモン警部の衝撃の告白です。

「何もかも嘘だ」

「えっ⁈  ‥何が嘘なんですか?」

瀕死の患者ですから、言葉は途切れ途切れです。

「モースを殺したのは俺だ」

⚡️⚡️((((;゚Д゚)))))))
「モースさんを?。えっ⁈
言ってる意味がわかりません」

「ワイン蔵でお前を襲ったのは俺なんだよ。
モースが駆けつけたから、殺すしかなかった」

「ひ、ひどい!モースさんは僕を助けようとしたために‥。でも何でサロモン警部が?」

「俺が人狼城に来た目的は、お前を殺すためだ」

はあ?
はあ?
意味がわかりません。
「だって、人狼を銀の弾丸で仕留めるために、僕を誘ったのでは?」

「お前を殺すように頼まれた。お前の叔父に」
ローラントは強欲な叔父を思い出します。

「娘が施設に入院している。金がかかるんだ」

「だからといって! 」
「早く逃げろ、ローラント。ここは地獄だ」

「教えてください! じゃあ、人狼の話は全部真っ赤な嘘だったんですか⁈
だとしてもわかりません。
サロモン警部に全部の犯罪ができたはずはありません!
シャリス夫人やランズマンさんは一体誰にどうやって殺されたのですか?
人狼が犯人じゃないんですか?
何で僕たちがこんなひどい目に遭わなくてはならないんですか?」

「わからない。ローラント‥」

「人狼はいるんですか?いないんですか?
しっかりしてください、サロモン警部!」

「ジン‥いる」

サロモン警部は大きな謎を残したまま、あの世に旅立ちました。

ローラントはとうとう独りぼっちになりました。

彼の告白は、かえってローラントを混乱に陥れただけでした。

わかったのは、モースを殺したのがサロモン警部だという事だけ。

それ以外のことは、むしろ謎が深まりました。

叔父が財産目当てでローラントの殺害をサロモン警部に頼んだとすると、
テルセ検事補までローラントを死地に送り込んだ共犯者という事になります。

彼は、たった一人の親友です。

「嘘だ!  彼が僕を裏切るわけがない!。
彼が僕の死を願うわけがない!
絶対に信じないぞ」

サロモン警部の拳銃を何発か甲冑に向かって撃ったお陰で、甲冑は去って行きました。
当初の危機は去りましたが、
時間の問題です。

翌朝には、伯爵夫妻の首なし死体が暖炉で焼かれてるのが発見されます。

もはやこの城にはローラントしかいないようです。

彼は気が狂ったアノー医師が羨ましくなりました。
彼はニコニコ笑いながら、斧で甲冑の化け物に殺されたのです。

体力も精神も限界に近づき、日記を書き続けます。
読んだ人に密室殺人の謎を解いてほしいからです。
それよりも、恋人ローズのために書いています。
自分という人間がこの世にいた事を忘れないで欲しいと。