こんばんは。

稲葉の白兎です。

今日もめちゃくちゃ暑かったですね。

こういう日こそ「太陽がいっぱい」の鑑賞日和。

古典の傑作、アランドロンの「太陽がいっぱい」を鑑賞してしまいました。

きっかけは自分のブログで
「大暗室」と「太陽がいっぱい」の類似性を書いたからです。

ギラつく太陽。
青い海。
ボートに3人


そして洋上の殺人。
友人の女と財産を手に入れるための衝動的殺人。

改めてビデオ鑑賞。

冒頭、いきなりハンマー🔨。
これ、私の心情です。

アランドロン、美青年過ぎないか⁈
((((;゚Д゚)))))))

死角がない!

犯罪レベルの美青年。

シャツの着こなしがすごい!

何を着ても何をしても、完全無欠。
 
世界一の超絶ハンサム男。

しかも顔だけじゃなくて、均整の取れた筋肉美もそれに匹敵。

ラストの海水浴シーンで水着姿を披露。
これは何のサービスなのか?(笑)。
ありがとう、としか言いようがないです。

これで一週間暮らせます。(^O^☆♪

内容も隙のない見事な作品。

悪いことはできないもんだという
松本清張的な、やばいオチが待っています。


江戸川乱歩「大暗室」の大曽根五郎と
その息子、
大曽根竜次を理解するには
この映画がふさわしいですね。

結構乱歩の作品には悪役としての美青年が出てきます。

アランドロンのこの映像を見れば、
美青年と犯罪の「相性の良さ」みたいなものがわかります。

大曽根五郎のルックスの描写はありません。
十人並みなのか、よくわかりません。
ポプラ社ではボートシーンの挿絵がありました。
まあまあの容姿。

そして全集にある大人版「大暗室」の竜次の挿絵は、
当然美形。
「女にしたいような美青年」という表現が
何十回も出てきます。

きっとこの映画のアランドロンのような容貌なのですね。背筋の凍りつくような美形。

わからないのは、人も羨む美形が
何が悲しくて犯罪を犯す?
金と女は、後からついてくるだろうに。
それはドラマだからですね。
現実的には、金持ち喧嘩せず
美青年ケンカせずのはずです(笑)。



さて、前回の続きですが、
ポン引き男とその大将は、
殺人事務所という餌でまんまと高利貸しの辻堂老人が罠にはめます。

まだ25にしか見えない青年がその首謀者です。

どうやら老人と同居してる従兄弟の星野清五郎が真のターゲットのようです。

幕末の財宝のありかを書いた暗号文書を所持してるからです。

全てを聞き出した悪者は、
ニセ辻堂老人となって帰宅します。

出迎えたのは清五郎の娘・真弓。
「さっきから変な奴に後をつけられた。戸締りに気をつけてくれ」

なんかいつもと違う辻堂のおじさま。

真弓は怪しく思います。
そして夜中にトイレに起きて廊下を歩くと、
老人の部屋に電気がついていて、
老人が部屋中をひっくり返しているのを目撃。

気になった真弓は翌日、恋人・有村清に相談。
有村と言えばお台場航空ショーで善玉を名乗ったほうの青年です。

「とにかく、おかしいの。自分の部屋なのに、
アレがないコレがないと書類を探し回ってるの。
それから庭に出て、戻ったあと足にくっついた泥の足跡をつけてるの。
今朝は泥棒が入ったなんて大騒ぎして。自分で足跡をつけたくせに」

「それは確かにおかしいね」
「しかも、今度の日曜日に、甲府の山へお父様と宝探しに行くことを決めました。
例の伊賀屋の財宝のありかの見当がついたんですって。なんだか心配だわ」

有村清も考え込みます。


ニセ辻堂老人と星野清五郎は、
日曜日になると甲府の韮山方面へ朝早く出かけました。
そしてズンズン山奥へと入っていきます。

「清さん、ここらで休憩を取ろう」
ニセ辻堂、人気のないのを確認します。

「ところで本当に伊賀屋の財宝のありかはわかったのですか?
あれほど何年も暗号を考えて、見当がつかなかったのに、急に暗号が解けたなんて言い出して。
アンタはさっきからついて来ればわかるというばかりで、ちっとも教えてくれない」
と、しびれを切らした星野がニセ辻堂に言います。

「ああ、あれね。実は本当のところまだわかっていないんだよ」
「じゃあ、なんでこんな山奥まで来たんですか」

「なんとなく清さんと二人きりになりたくてね。ここなら誰にも邪魔されないからね」
「?」
「まだわからないかね?わしは君の知ってる辻堂老人ではないのだ。
本物の辻堂は俺の事務所で酒を飲んでるよ」

ニセ辻堂、カツラやヒゲを取る。
みるみるうちに美青年の素顔が現れます。
「誰だ、貴様」

「俺か?俺は殺人事務所の所長だよ。
辻堂から頼まれてね。
伊賀屋の財宝を独り占めしたいから
邪魔な従兄弟を殺してくれってさ」

それを聞いて突然震えだす星野。
「あれ、震えてるね。そんなに怖いかい?」

よく見ると、震えてるのではなく、笑いを堪えているのです。

「アーハツハツハ。いやいや、君の独りよがりがさっきから可笑しくて、つい笑ってしまったのさ」
「⁉️」