こんばんは。

稲葉の白兎です。

乱歩作「大暗室」の悪の主役・大曽根五郎。

話をブログに書いてるうち、
ふと、この悪の主役が
フランス映画「太陽がいっぱい」に類似してるのではと思うようになりました。

あの有名なアラン・ドロンの出世作です。

船が出てくるのも一緒。
資産家の友人を殺して妻もろとも財産を乗っ取ることも。

違うのは、大曽根五郎がどういう人間か素性がわからないこと。

どうして有明男爵と親しくなったのか、
何を生業に生きてきたのか、
過去が一切明かされていません。

大曽根は、久留須が生還して悪事が暴露されると、
京子夫人を始め、屋敷中の人間を焼き殺してしまいました。
京子夫人と久留須を亡き者にするため
結果的に大勢の巻き添えを食わせたのです。

ここまでやるとさすがにドン引きですね。

そして旧有明邸の火事以来、
2歳の息子の竜次と共に一切の消息を絶ってしまったのです。

助かった執事の久留須が全部暴露したからです。

友之助は屋敷から離れた所に預けていたので無事でした。

「おのれ、大曽根。この恨みは生涯忘れまい。
おれは油断しすぎた。
そのせいで奥様を死なせてしまった。

可哀想な友之助坊ちゃん。
わずか5歳にして両親を奪われ天涯孤独。
この久留須がお育て申そう。
そしていつか大曽根を八つ裂きにしてやるのだ」

血を吐くように叫ぶ執事。

そして突然20年もの歳月が一気に流れてしまいます。

第2部の開始舞台はお台場の航空ショー。

いつのまにか二機が抜きん出たレベルで空中戦を展開。

それがややエスカレートして、なんとか着地。

2人の青年パイロットが意気投合。

一人は有村清、もう一人は大野木隆一。

両人とも絵に描いたような美青年。

それぞれの夢を熱く語ります。

有村は「正義の味方として、過去にあった悪い奴を捕まえるのが夢」

大野木は「悪の王国を建設するのが夢」。

互いに真逆な夢に「エッ?」となりますが
それはそれで、いいライバルになりそうだと握手します。

帰った有村を迎えたのは仮面をつけた老人。
犬神家のスケキヨが被ってたゴムマスクを想像して頂ければと思います。

「一刻も早く、亡き有明友定男爵のような強くて優しくて賢い男におなりになってください」

「ジイ、またその話か。大曽根五郎は必ずやっつけるよ」