こんばんは。

稲葉の白兎です。

だんだん暑くなってきましたね。

「吸血鬼」と聞いてあなたはどんな印象を受けますか?

江戸川乱歩のポプラ社のシリーズに「地獄の仮面」というタイトルの本格推理小説があります。

大人版は「吸血鬼」。

「地獄の仮面」は、ポプラ社の少年用シリーズの中では、残酷度ナンバーワンでした。


表紙はガイコツ。

内容にふさわしい表紙。

何でこの作品タイトルが「吸血鬼」なのだろう?

血を吸うとかないし。

やたらに人が死にました。
殺人にあまり意味はなく、ムダが多かったように思います。

数えたら8人。
八つ墓村ですね。

タイトルつまらなすぎ。

ガイコツ=吸血鬼でもない。

何のつながりもない。


特に「!」と思ったのは

最初のシーンです。

2つの水の入ったコップが並んでいます。

2つのコップはソックリです。

コップも、水の量も全て同じ。

男性が2人います。

1人の男が苦しそうにコップを睨んでいます。

別の男が

「左右どちらかに、毒が入っている。
どちらか選んで飲むのだ。これで決着がつく」

結局、挑まれたほうは、コップの水を飲むことが出来ず退場してしまいました。

勝ったほうは、ハンサムな青年三谷。

2人は、ひとりの女性を巡って
命がけの決闘をしたようです。

それが今のコップ選び。

ロシアンルーレットの変形版ですね。

こんな対決どうよ?

子供心にものすごく印象に残ってます。

あの、負けたほうは何者だろうか?
最後はどうなったんだろうか?

恋の決闘にしては、あまりにもリスクが大きくないか?

小学生には、女の人の愛を勝ち取るために
毒入りのコップを手に取るという心理がわかりませんでした。


三谷の知り合いの美しい未亡人とその坊やが何者かに狙われて、
坊やが三谷に注意されたにもかかわらず、
チンドン屋に惹かれて後をついていってしまいます。
チンドン屋は罠で、
少年は戻りませんでした。

まるでハーメルンの笛吹きみたい。

この親子に対して
犯人は次々と危害を加えようとします。

最後にこの親子は氷柱にされてしまいます。

残酷度90%

そこまでする理由が知りたいし、
普通、助かるよね。

美しきか弱き未亡人ですもの。


去年だか、テレビで、
この決闘と同じやり方のミステリドラマが放映されました。

火村英夫の事件簿だっけ?
斎藤工が主演のやつです。

ヒステリックな女賊が、
探偵にこの決闘を仕掛けてきました。

グラスは4つでしたが、
死なずに済む確率が高いやり方の種明かしをしました。

表題のこの作品を含め、
暗黒星、魔術師、地獄の道化師、緑衣の鬼、
白い羽根の謎
など、みーんな動機が復讐の作品です。

結構パターン化してます。

被害者像
犯人像。

だから、復讐の出てこない
十字路、三角館の恐怖は目立ちます。
オリジナリティーがあります。