こんばんは。

稲葉の白兎です。

事実は小説より奇なり

と言いますが、

江戸川乱歩の小説は、色々と現実離れしてました。
そこが魅力です。

「呪いの指紋」で、本格経験デビュー。
大人版は「悪魔の紋章」と言いますが、
中身に大差はありません。

二十面相が出なくて、
殺人事件が起こって、
犯人を当てる。

これは、少年シリーズばかり読んでた身には画期的でした。

そろそろ、二十面相のチャチな悪戯にも飽きてたので。
怪人やロボットなどの着ぐるみを着て、
少年をさらう話。

「コレコレの美術品を盗みます」
と予告して、ハードルを上げて、
警察のウラをかいて、
まんまと盗んで高笑い。

調子に乗って、何件めかに、
明智小五郎の罠にはまって
お宝奪取に失敗。

最後は部下の用意した気球か、モータボートに乗って逃げておしまい。

呪いの指紋には、ズバリ「指紋」という手品を
見せられました。

少年探偵シリーズとは別に、

子供用の理科系のなぜなにシリーズみたいなものに、
「科学捜査」の本がありました。

指紋
嘘発見器
ポリグラフ
モンタージュ写真
復顔術など。

指紋は、
●一人一人違って同じ指紋が1つもない
●一生変わらない

なので、現場の指紋で犯人を特定できます。

アルミ粉で検出できるそうです。

種類は大雑把に
渦状紋
蹄状紋
弓状紋の3つくらいに分けられると。

絵が載ってましたが、
自分の指紋が何型なのか、わかりませんでした。

それを興味深く読み、知識を得た読後に、
「呪いの指紋」です。
タイミングはよかったですね。

そして、本編に出てくる指紋は
三重渦巻きの指紋!👻

思わず、自分の指紋を見てしまいました。

三重渦巻きだったら、どうしよう。

‥二重渦巻きですらなかったです。(´ω`)

この話の犯人は、最初の段階から、
これでもか、これでもかというくらい、
己の不気味な指紋を見せつけてきます。

普通、指紋ってつけないように気をつけるじゃないですか?

脅迫状が川手氏の屋敷、
あるいは宗方探偵の事務所に舞い込むたびに、
その不気味な指紋が残されるのです。

しかし、関係者の中には
そんな指紋を持った者がいないのです。

川手氏は、指紋にも犯人の動機にも覚えがないと言います。

資産家ですが、犯人は身代金を要求するとかではなく、
予告どおり、二人の娘さんを順番に亡き者にしてしまったのです。
そして、最後のターゲットは川手氏自身。

次女がさらわれた時、
犯人が大柄と小柄の二人組の仕業とわかります。

大柄のほうは、ヒゲモジャで、メガネ。
名前は山本はじめ。

私の心惹かれたアイテムは、

八幡の藪知らずのお化け屋敷。💀

面白そう。

入ってみたい!

こんなお化け屋敷があったら、
人気出るだろうなぁ。

ガイコツがスタンプを押してくれるという。

中は迷路。

読んでいて、
これぞお化け屋敷のカガミ!
正当なお化け屋敷というのも変な言い方ですが、

当時、お化け屋敷なるものバカにしていたので、
なんていうか、子供だましと思ってました。

本編に出てくるお化け屋敷は、
ガチ怖そう。

この辺は乱歩の得意分野かもしれません。

でも、そこで、宗方探偵の若い熱血助手小池くんは、
犯人に拳銃で撃たれて死亡。

何で殺すかなー。

次に気に入ったアイテムは、
宗方博士考案の変装。

それから、尾行のまき方。
車で川手氏を山奥の家に疎開させる時に使ったテクニックですね。
車を何度か乗り換えたり、変装したり。

探偵っぽい!

それでも、犯人を完全にまき切れませんでした。

動機は、復讐でした。

三重渦巻きの指紋の持ち主がきちんと実在して、
それが指紋の持ち主のイメージにそぐわなかった人物で、仰天しましたね。

山本はじめなら、よかったのに。

土曜ワイドで、映像化された時は、
かたせ梨乃さんが、川手氏の次女をつとめて、
危機一髪、助かります。

それが普通ですよね?

原作では、二人とも殺されてしまうので、
乱歩センセの容赦のなさに、大人向け本格推理小説の真髄を見ました。