こんばんは。
稲葉の白兎です。
港区白金にできたばかりのカフェです。
客はなんと自分だけ。
飲み物は、赤ぶどうジュースです。
今日は、江戸川乱歩の「お勢登場」を読みました。(マンガで)
知名度は低いけど、なかなか乱歩らしい作品でした。
キーワードは
「隠れる」「断末魔」「不貞の妻」。
ある人妻の偶然による完全犯罪の話です。
乱歩作品の形容詞は、
コワイ、キモい、エロい。
乱歩の最高傑作として必ず上がるのが、
長編なら「孤島の鬼」。
屋根裏、D坂、蜘蛛男
短編なら「芋虫」「押し絵と‥」「心理試験」
しかし、それだけでは限りなく不完全。
乱歩の魅力は、それ以外の作品でも、
沢山見い出せるのですよ。
読者の感性や好みでも、色々と変わりますしね。
十人十色ではないかと思います。
それにひきかえ、
キオスク🚃の友・西村京太郎の代表作と言ったら、
アレしかないのですよ。
初期の本格作品です。
クローズドサークルものであり、
吹雪の山荘で
双子トリック。
そうです。
「殺しの双曲線」です。
メインは双子トリックです。
これ、全然ネタバレじゃありません。
なぜなら作者が冒頭に
「これは双子トリックを使ったミステリーです」
と、完全フェアプレイの
予告先発を行なっているのです。
アメリカのヴァン・ダインは、
探偵小説20則で
「双子を使ったトリックはあきまへんで」
と述べています。
(英語で)
補足をすると、
双子トリックを禁止しているのではありません。
いきなり、
実は犯人には双子の兄弟がいて、
アリバイは弟が目撃されていたのでした、
ちゃんちゃん。
というのがダメということで、
コイツらは双子やでー
と言っておけば大丈夫👌。
逆に「殺しの双曲線」の場合、
犯人は最初から双子だと言い切っているところに嫌な予感がします。
その双子トリックが一筋縄ではいかないことに、
読者は覚悟をするわけですね。
さて、雪が降り積もり、外と連絡が取れなくなった別荘で、連続殺人が勃発します。
犯人が誰かわからぬまま、一人、また一人と、
消されていきます。
犯人を突き止めないと、
山荘の客は全滅してしまいます。
アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」の吹雪の山荘バージョン。
これは誰しもが認める西村京太郎の最高傑作。
近年に見られる粗製乱造のせいで、
もはや異を唱えることが不可能なくらいに「‥双曲線」の優秀さが目立つというわけ。
この作品は、双子トリックより、
私的には、動機とミッシングリンクのほうがよほど強烈でした。
昔は彼の作品も面白いものがありました。
今の"湯けむり"と違って、実にハードな作品、本格物が多かったです。
あなたが読むとしたら、初期限定作品にしましょう。
列車の名前がついてないやつです。
「消えた乗務員(クルー)」は、
船です。🚢
面白かったです。
マリーセレスト号事件を彷彿とさせます。
洋上のクローズドサークルですね。
「7人の証人」は孤島の傑作です。
