こんにちは。

稲葉の白兎です。

ミステリ案内をしております。

ゴールデンウィーク、後半戦いかがお過ごしですか

ミステリ案内人なので、ブログタイトルに
「‥殺人」とか、
殺伐としたタイトルをつけてしまうことがあり、
お許しください。

アガサ・クリスティーの話をすると、
そのワードが入ってしまいがちです。

タイトルに殺人が付く事が多いからですね。

オリエント急行の殺人
アクロイド殺害事件
ゴルフ場の殺人
予告殺人
ABC殺人事件
三幕の殺人
メソポタミアの殺人
殺人は容易だ
ホロー荘の殺人
‥など。

タイトルに殺人がつくメリットは、
明らかに推理小説だと、わかること。

推理小説=殺人事件が起きる

ヴァン・ダインの推理小説20則では、
殺人事件を扱うこと、
というのがあります。

窃盗とかでは、長編の場合、
読者を引っ張れないと言うんですね。

土曜ワイド劇場というテレビ番組では、
2時間で
1人ぐらいの殺人だと、間が持たないそうで‥(笑)
30分に一回、死体を出すという‥。


さて、童謡殺人。

動揺しないでくださいね。

アガサ・クリスティーやヴァン・ダインなどの
本格古典には、
「童謡殺人」ジャンルがあります。

我が国では、横溝正史の人気作品で、
「悪魔の手毬唄」があります。

民間伝承の手毬唄の歌詞どおりに
人が殺されるわけです。
手毬唄はオリジナルですが、
なかなか良くできていて、
不気味な雰囲気です。

歌詞は三番まであります。

犯人は三番まで実行する気満々。

我々は勝手に期待します。

イギリスやアメリカには、
「マザーグース」という、子守り歌、数え歌など、伝統の童謡があります。

「ロンドン橋落ちた」
はご存知ですよね。メロディーは有名。
原曲の歌詞は何かの警告のようでいて、意味不明。

日本の「かごめかごめ」もそうですけど、
歌詞にあまり意味がないですね。
子供たちは単に語呂のいい、歌詞を口ずさむだけ。

マザーグースの歌詞どおりに、人が死にます。

マザーグースの種類はたくさんありますが、
「ポケットにライ麦を」で始まる「6ペンスの歌」はかなり有名。
以前、NHKラジオ「基礎英語」を聴いていました。
土曜日は、文法をお休みして、
「マザーグースの歌」だけになります。
毎週1曲、紹介されます。

その中でも、お気に入りは
「6ペンスの歌」
🎵
S ing  a  song  a  six pence a
pocket  full  of  rye

Four twenty Black birds
baking in a pie

すごくノリのいいメロディーです。
人気はそこですね。

歌詞は相当おかしいけど、
へっちゃらなのです。

これから紹介するアガサ・クリスティーの
童謡殺人ジャンル作品は
まさに「ポケットにライ麦を」
であります。

童謡が、模倣・見立てに使われます。

例えば、

被害者のポケットから、ライ麦が出てきたり、
オーブンにクロツグミの死体が入っていたり、
被害者の鼻に洗濯バサミが挟んであったり‥

舞台は金持ちの家。
お屋敷モノと言っていい。
社長が毒殺されるところからスタートします。

かなり、読みやすい。

ですが、

犯人は当てにくい。

童謡殺人ジャンルの面白さは、
犯人の当てにくさ、
その隠された目的・動機にあります。

わが巨人・松本清張は、童謡殺人ものは扱ってないですね。

高木彬光センセには、
「一、二、三、死」があります。

中身の数え歌より、タイトルのほうが面白い。🤣