こんばんは。

稲葉の白兎です。

松本清張を中心にミステリーを紹介してます。

さて、清張センセ渾身のミステリー
「ガラスの城」。

あれっ、それ、松本清張作品?

と違和感を持った方、
あなたの直感は鋭いです!

私も、変だな、と思います。

そう、タイトルがらしくないですよね。

清張といえば、
「点と線」「砂の器」「時間の習俗」「目の壁」「夜行階段」「黒い樹海」「告訴せず」「鬼畜」「書道教授」「彩り河」‥といった、
タイトルに漢字が多いイメージですよね?

カタカナが出てくるのは、
「アムステルダム運河殺人事件」といった固有名詞を除くと、
「ゼロの焦点」と「ガラスの城」だけとなります。

内容は、ブログタイトルどおり、
一流会社のドロドロ社内交換図。

おそらくは、カッコいいガラス張り高層ビルの
オフィス。
ところが、そこで演じられるのは、三流の営み。

ということで「ガラスの城」。

それでもしっくり来ないタイトルです。

森村誠一に
「鉄筋の畜舎」という作品がありますが、
こういうタイトルでよかったのでは?
(笑)( ̄∇ ̄)

エリート社員と補佐でしかないOLによる
珍プレー好プレー。

書き手の三上田鶴子は、どうやら負け組のOL。

それでも、あの人よりはマシという
ハイミスOLをdisっています。

女としての峠を越えて、もはや出世も結婚もできない〇〇子は、
お金を溜め込むしか生きがいがないであろう、
余計なお世話分析。

それがわかるのが、当の先輩的場女子の手記。
第2部で書き手が変わり、

今度はそのハイミスが三上田鶴子を
男に相手にされない哀れなOLと批評。

ここで一気に三上田鶴子の読者による評価が
下がると思います。
実はあなたこそ負け組だったのね〜。

社内旅行イベントを題材に、
社内の恋愛事情、
勝ち組は誰か?といった
人物批評をして、なかなか痛快なのですが、
肝心のアンタは一体何様?

それにしても、
この時代は、
女社員は、
若さと美貌がすべて。

そういう価値観に振り回されている語り手が
もう、素晴らしい。

やっぱり清張センセらしい

で、しっかり殺人事件起こし、
トリックを使い、
なおかつ、犯人が難しくてわかりません。
(笑)。

昔、土ワイのテレビドラマになってたみたいです。
岸本加世子が出演したらしいです。