こんばんは。

稲葉の白兎です。

因幡ではなく、稲葉で大丈夫です。

特急「はくと」(白兎)は、米子ー京都間を走る列車です。

鳥取県は、松本清張センセのお父様の、ゆかりの土地ですね。

山陰地方の描写が多いのは気のせいでしょうか?

伊豆もよく出てきますが‥。

伊豆と言えば、
清張センセの大傑作、
それも一、二を争う大傑作「ガラスの城」も、

伊豆が舞台となります。

ガラスの城は、

伊豆の社内旅行に行く、
二人のハイミスOLの手記で構成されています。

コレを最初に読んだのは、
バブルの時代で、
実際、自分も伊豆の社内旅行に出かけたことが、
2回もあります。

社内旅行なるものは、4回しか行ってないです。
伊豆、石和、富士急ハイランド、初島

少ないほうだと思います。
多分。

関東西部ばかりです。
都内の会社だとそんなもんですよね。


「ガラスの城」を読んだ時、前半の社内旅行の部分、共感したし、面白かったです。

社内旅行あるあるです。

清張センセには珍しい俗っぽさ。

今から思えば(笑)。


ハイミスと言っても、多分28歳くらい。

一人称で語ってくるこのOLは、
女の盛りは24くらいまでという考えの持ち主。

それは清張センセの考えか、この女主人公の考えか、
微妙なところですが、そういう風潮はありましたね。

女は若いほど男性社員に人気があり、花嫁候補のターゲットとなり、
30過ぎたら、女の負け組の扱い

と言った、ステレオタイプ。

女性の社内評価‥
それは顔と年齢

仕事ができる、性格がいい
というのは二の次なのがポイント。

その主役の女は、上から目線で、
周りの社内恋愛事情を分析。
誰と誰はどうだとか

そして、この主人公の同じ社内の、自分よりさらに上のハイミスOLを見下ろし、

見下ろされたハイミスが今度は、
一人称の、手紙という形で後半の物語をリードします。

最初は日記で、次が手紙。
確か手紙だか、ノートだか。日記だか。

2人の間に連絡はなく、独立したものになっています。


その年かさの先輩は先輩で、
これまた冷めた目で周りを分析。

すごいのは、自分がミジメな売れ残りOLというレッテルで見られていることを、熟知してることです。頭がいいです。

でも、この人も相当にひねくれているなあ。


社内旅行から、殺人事件に発展して、
どんどん脱線。

とにかく2人のハイミスOLの手記のリレーが、
既存のミステリーにはない斬新さです。

5年前に読み直し、この斬新さに改めて驚くことになりました。
日本記録更新ですね。