こんばんは。
稲葉の白兎です。

ミステリだけでなく、
大河ドラマも大好きで、
毎年観ていると、
歴史に強くなっている気がします。

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買ってしまいました。

お得意の衝動買い。

この日は3冊買って二千五百円ですね。

その内、感想を書きます。

「アクロイド殺し」の映像化は、
今のブログとリンクして、
もっともっと、ガチな本格ミステリを、
ドラマでやってほしいです!

ホントに本格ミステリは、
特殊文学だなぁ、って思います。
高木彬光センセは、
「刺青殺人事件」を引っさげて本格デビューしましたが、
ずーっと本格だけでやっていくのは、厳しいのか、飽きたのか、他のものが書きたくなったのか、
社会派へと移行してしまいました。

西村京太郎センセも、
実は、最初の頃は、本格を書いてました。
初期の「殺しの双曲線」「7人の証言」なんて、
素晴らしい本格モノでしたが、

いつからか、列車の名前を冠したトラベルミステリー作家に転向。

量産型の人は特にそうですね。

本格推理はキツイんですよね。

何しろトリックを常に考えないといけません。

結果から発端に入るという逆から書く文学、
かつ、
一度使われたトリックは、二度と使うことができません。

プライドある人ならば。

「アクロイド殺し」のメイントリックは、
フェアプレイぎりぎりの離れ業。

さらにこれに、ヒネリを二重に三重に効かせて挑むは高木彬光氏の能面殺人事件。

能面‥
能楽師・宝生源之丞が使った呪いの般若の面

ところ‥昭和21年8月下旬
場所‥神奈川県三浦半島にある大豪邸

被害者‥亡き放射能化学の権威・C井壮一郎の弟
泰次郎

彼は書斎で不可解な死を遂げました。
外傷も凶器もなく、
落ちているのはツノが生えた赤般若の能面だけ。
現場は密室。

被害者は、屋敷の家宝の般若の能面を怖がってました。
なぜなら、前夜にこれを被って窓から顔を出してゲラゲラ笑った者がいたからです。

誰がそんなことをしたのかは、わからずじまい。

コレも立派な伏線で、

本作は、破綻なく結末に向かって、
「そーだったのか〜!」と唸らせてせくれます。

高木彬光は、青森県の五代続く開業医の家で生まれました。

ところが、家は破産。
一高、つまり今の東大を出たのに、
働き口もなく、明日の暮らしにも困る始末。

藁にもすがる思いで易者に見てもらったところ、

「アンタ、小説家に向いてるよ。必ず成功するから小説を早く書け。」

という御宣託を受けます。

戸惑いますよね。

あなたが例えば絵を勉強したことがないのに、

「絵描きになれ!」

早く、天井画を描きやがれ!!

と言われたらどうします?

高木センセは、そこで別の占い師のところも訪れてみます。
「ホントに、小説家として食っていけるんでしょうか?」

「なぜあなたは小説を書かないのですか?。
〇〇と骨相が似ているので大丈夫。

早く書きやがれ!!(笑)」

大長編「刺青殺人事件」は、三週間で死にものぐるいで書いたそう。

しかし、出版社に持ち込んでも相手にされず。

やがて、その作品は大先輩・江戸川乱歩に見出され、デビュー。

"ミステリーとしては、すごいけど、
小説としてはどうかな? "

と乱歩に言われたそうですが、
意味不明ですね。(笑)