こんばんは。

ミステリー案内人・稲葉の白兎です。

たった今、三谷幸喜&アガサ・クリスティー原作シリーズ
「黒井戸殺し」のテレビが終わったばかり。

8時に始まって11時10分。

丸々3時間のスペシャルドラマでした。

数々の名作ミステリーの中でも、
「アクロイド殺し」は、
ベスト3に入る古典推理小説の金字塔。

本当に今夜は記念すべき日です。

まさか、映像化される日が来ようとは!

しかも、内容は、
ほぼ原作通りで

出演者は、
大泉洋、向井理、遠藤憲一、斉藤由貴、
草刈民代など豪華キャスト。


稲葉の白兎的には、

「そして誰もいなくなった」
「Yの悲劇」
「アクロイド殺害事件」

が、この順位でベスト3。


高木彬光著「能面殺人事件」は、
この海外のベスト3が、
全て一冊に網羅されています。

常軌を逸した家族の集う・資産家C家で起こる連続殺人事件。

化学者、化学薬品、実験室、暖炉、注射器、
カルテ、病原遺伝、のアイテムは「Yの悲劇」と丸かぶり。

勝手は違うけど、
嫌味な探偵、ワトソン役の手記、
は、「アクロイド」似。

特に探偵のキャラは、よく似ていました。
辞書に謙遜の文字がないのです。(笑)



そしてC家に住む登場人物はすべて滅亡しました。

そして、誰もいなくなった


といった、それぞれ共通項があります。

似てるだけではなく、
バージョンアップさせてるのです。

二重底、なんですね。

その上で、

密室殺人
アリバイトリック
予告殺人
見立て殺人
詩に隠された暗号
ダイイングメッセージ
意外な犯人
意外な動機

これらが全部あるわけで、

本格ミステリの参考書的存在。

今日の「アクロイド殺害事件」のパロディ、
「黒井戸殺し」は、

舞台を無理やり、戦後の日本の片田舎に持ってきたわけです。

出ました、
復員兵!

正確には復員服の男ですけども。

横溝正史によく復員兵が登場しますが(笑)。


実際、ドラマの雰囲気は、横溝正史っぽかった。

めちゃめちゃ怪しすぎる復員兵。

復員兵は、よく容疑者にされます。

偏見ですね。

「能面‥」にも復員兵は登場します。
C家の書生がまさに復員兵。
戦争から戻ってきてみると、C家はめちゃくちゃになっていた、

「復員兵の犯罪率が高い」
と書生と仲の悪い現当主の長男が指摘。

クリスティー作品では、
復員兵のことは、
退役軍人という名称で登場します。