こんばんは。
稲葉の白兎です。
ミステリが大好きな、特に本格は大好物な人間です。
大好物と言えば、
やってしまった。
食べ物の写真だけは、載せまいと思っていたのに。
本格的にカニの身を食べるなんて5年ぶりかな。
理性がゆるみます。
地元の唯一のカニ専門店にて。
江戸川乱歩の本格ミステリは、ほぼ全作品に、
共犯者が登場。
トリックや、名前や、場面がワンパターンになりがちな乱歩ミステリ。
毎回はやめてほしい(笑)。
高木彬光の「能面殺人事件」は、
ベッタベタな本格ミステリで、
純粋に犯人当てが楽しめるのですが、
共犯者がいるんですよー。
共犯者が。
この共犯者は、実に嫌〜な共犯者で、
チラッとも、怪しくないのですな。
完全に陰に隠れていて、
それでいて、すごく重要な仕事をこなしています。
殺人こそ、真犯人が3つともこなしますが、
この共犯者なくしては、
犯罪計画はうまくいかないし、
なによりも真犯人が疑われずに済むという、メリットが大きいです。
それでも二人の人間に見破られましたが。
私は、わかりませんでした。
ズルイ!
堂々と一人でやれや。
率直な感想。
アリバイ作りなど共犯者も使い勝手がいいと思いきや、
もろ刃の剣でして、
そこから足がつく場合もある。
事実、ヘマをやらかした。
速記文を落とし、
探偵の手に渡ってしまいました。
この速記文の紙片は
致命的な物的証拠となりました。
共犯者のリスキーさは、
松本清張の傑作短編「共犯者」を
読んでもらえばわかります。😊
私がこの犯人に一切の同情・共感ができないのは、
この共犯者の存在のせいです。
それだけではないですが。
あまりにも守られすぎ。
重きを置きすぎ。
切り札と言ってもよい。
まあ、普通、犯人に共感なんてできませんよね。
犯罪者ですから。
でも、頭のいい犯人です。
速記文字を知っているし、
シェイクスピアも知っているし、
水素を発生させ、
密室を作りました。
外傷のない殺害方法まで行なっています。
頭のいい人は殺人なんてするかな?
金持ち喧嘩せず。
アリバイや密室をこしらえることができるのだったら、バカバカしくて殺人なんて、できませんよ。
1番のターゲットを、もったいぶらずに、
やっつけてしまえばよろしい。
あれこれやり過ぎてるんですよ。
共犯者がいると、
犯人当てをする場合、それが壁となってハードルが上がってしまいます。
極端な話、真犯人+共犯者とセットで
見抜かなくてはなりません。
フェアかアンフェアかで言うと、
アンフェア。
やっぱり、犯人は、最初から最後まで一人が望ましいです。
この作品に限っては、重要な役割を考えると、
セット販売は可能です。( ̄^ ̄)
