こんばんは。

三谷幸喜の「黒井戸殺し」楽しみです。
放送は4月14日。

原作はアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」

高木彬光も、クリスティやヴァン・ダイン、
ディクスン・カーに挑戦していて、
その集大成が
「能面殺人事件」

ブログ書いているうちに、読みたくなって、
地元の図書館に寄ってみました。

「能面‥」あった!!

しかし、借りられていました。

な、何で⁈
ブログ読んだの?

今どき、古式ゆかしい、
決してメジャーではない本作品を借りる人が地元にいたとは!

同じ彬光でも、「刺青殺人事件」や「ジンギスカンの秘密」「白昼の死角」の方がはるかに有名。

本編の犯人は、まるで作者のように、
頭、良さそうです。

速記文字知っている
酸化と還元知っているなど化学の知識豊富

しかし、
「能面」の知識はなさそう。

第2、第3の殺人で、能や歌舞伎に使う小道具を
意味なく持ち込んで、被害者のそばに置いているのです。

それは、第1の殺人で般若の能面を使った
真の目的を悟られないためでした。

被害者は、C家の家宝の般若を被った誰かが窓から顔を出していたことに、極端に怯えていました。
般若の面が怖いのではなく、家族の誰かが自分に悪意を抱いている、ということですね。
そうされるだけの後ろ暗い過去があるんでしょうか?
つまり、現場に落ちていた能面は、
被害者を何らかの形で怖がらせるため?

呪いに見せかけるため?

それと、不思議な電話。
「鬼女がまた現れた、ヤバイ。心配だから、早く来て」

被害者は、書生に、信頼できる私立探偵の知り合いがいたら紹介してと頼みます。
昨日、一緒にお邪魔した石狩検事は?
と聞くと、
「検事に犯罪防止力はない!」と一蹴。

そこで、
頭が良くて、勇気があって、粘り強い男が、
今、三浦海岸のホテルに滞在、ヒマしてます、
と紹介。

「おお、そのかたがいい!!」

そこで書生は、依頼書を書いてもらって、
ホテルに行きます。

実は、その男、言うほどいい男ではなさそう。
書生は手記に
「右と言えば左と言い、左と言えば右と言う、
自己の主張を押し通し、人の忠告は聞かない、
すっげー天邪鬼(笑)」
てなことを書いています。

自分の大嫌いな有閑階級とも。

ぶらぶらしてるだけだから、ご主人の相手をしてもらおうか。

親友は、「いいねえ、ワクワクするね〜」と、
主人の紹介状を読んで大喜び。

そんな時、ホテルに例の電話がかかってきます。

2人が駆けつけると、現当主のTの部屋には鍵がかかってます。
外から呼んでも反応なし。

鉈が運ばれて、鍵を壊します。

踏み込むと、Tは死んでおりました。
そばに般若の能面。
ジャスミンの香り。

つまり、大事なのは密室だったということ。
では、なぜ般若の面がそばに落ちてたのでしょう

あれだけ怖がっていたのだから、本人が持ち込んだものではない

答えを言うと、密室の構成に使われたのです。

ツノがドアの鍵を回すのに役に立ちました。

石狩検事は、能や歌舞伎に詳しいので、

鬼女が現れる際には、必ず撞木を持っている。
でも、現場にはそれらしいものがないので首をひねります。

シュモクとは、「紅葉狩り」などで、鬼女が手にしているT字形の棒。
そこから、蜘蛛の糸が出たりします。

犯人は、能面を密室構成に使われたと
知られたくないので、

般若の呪い的な見立てを、
次の殺人でも行います。

見立て殺人‥

ヴァン・ダインの名作「僧正殺人事件」は、
マザーグースメロディの歌詞通りに、現場が装飾されます。

さて、密室にする理由は?

普通は、アリバイ作り。

自殺に見せかける。

「第1の犠牲者」という紙と、
葬儀屋にかけた3つの棺で、

警察は殺人と断定。
この犯人は、被害者を自殺に見せる気はないようです、むしろ、挑戦する気満々。

密室にした理由はアリバイ作りの他にもう一つありました。
この理由は、他ではあまり類を見ないですね。

そして、T次郎を殺した動機とは?

C家の人々は、
あなたの予想どおり、
誰も仲良くありません。

「狂人と病人」の集まりという表現あり。

探偵は、書生に
「C家っていうのは、イヤな人間ばかりだね」と自分のことは棚に上げて言います。

まともな人もいますよ。

かえってそういう人は家族から浮いてしまって
可哀想。