こんばんは。
ミステリ小説発信人・稲葉の白兎です。
江戸川乱歩、横溝正史、〇〇〇〇。
〇〇には、誰が入るでしょうか。
推理作家の御三家というわけですが、
第3の男となると、途端に認知度が低くなったりして‥。
エラリー・クイーン、アガサクリスティー、〇〇
〇〇に入る欧米の古典の本格派作家は、
ディクスン・カー。
え、ヴァン・ダインじゃないの⁈
という声が聞こえてきそうですが、彼は12作品しか送り出してないので、巨匠と呼ぶには今一つ。
推理オタクの間では、カーのファンをカーマニアと言うそうですが‥。
で、さっきの〇〇は、次の3つから選んでください。
❶松本清張
❷西村京太郎
❸高木彬光
はい、三番めの高木彬光でした。
タイトルからしてミエミエでしたよね。
江戸川乱歩、横溝正史、高木彬光。
あくまでもこれは、総合ではなく、
本格推理ジャンルです。
一気に世間的には知名度が下がりますが、
角川映画の「白昼の死角」の原作者といえば、
ピンときますかね?
「狼は生きろ、ブタは死ね」
という過激なキャッチコピーで、
バブルの当時は、そこそこヒットしました。
私は、観てないんですよ。
なぜなら、この映画が謎解き路線でないのを知っていたからです。
ちなみに故・高木彬光は、
松本清張センセと仲が悪かったです。 
それどころか、2人は、白昼堂々と、
邪馬台国が何処にあったかを巡って、
ケンカをなさってます。
世に言う邪馬台国論争。
この2人、似てる部分もあります。
本格推理小説を書きながら、歴史にも造詣が深く、特に古代ですね。
高木彬光センセは、医者の家系に生まれて、
旧帝大を、受験しています。
最終的には、京都帝大学の工学部を卒業しています。
そうです、アッタマいいのです!
それは、作品を読めばわかります。
ペダントリー、半端ない!
本筋には直接関係ない雑学がゴロゴロ出てきて、
読んでて、トクした気分、
いえ、実際、得をしています。
横溝正史より都会的でスマートな作品を書く本格推理作家ですね。
本格‥つまり謎解き。
犯人は誰?に主軸を置いた小説です。
でも、いつしか彼は、本格を離れ、
法廷物、歴史物、社会派へと変化しました。
「白昼の死角」は社会派作品の最たるもので、
彼の代表作と言っても過言ではないです。
高木を読み始めたのは中学生で、
「能面殺人事件」が最初。
「白昼の死角」は、7年前に読みました。
すごい、すごい、すごい!
これは、手形のパクリ専門の詐欺師が主人公という悪徳小説。
本人が作品の中で、白昼堂々と冒頭に、
主人公のやり口ときたら、
松本清張の「目の壁」に出てくる手形のパクリなど、稚戯に等しいと断じているのです。
「目の壁」は、その時点で未読でしたから、
どのくらい、差があるのか、よくわかりませんでしたが、
清張センセを目の敵にしてるのと(笑)、
迫力があったのは確か。
冒頭から主人公のキャラに引き込まれて、
全然、悪人じゃない⁈
例えていうなら、怪盗紳士アルセーヌ・ルパン?
ネズミ小僧?
でも義賊とも違います。
まったく新しいタイプの主人公で、
パクリですから、犯罪に当たるんでしょうけど、
主人公には、明確なポリシーがあって、
同じ手口は使わないなど、
やたらにカッコイイのです。
女に優しく、仲間に優しく、
いい男です。
分厚さを感じないほど、読みやすい割りに
雑学内容てんこ盛りで、
知った間がらとはいえ、
この作者、頭いいわぁ、と改めて感心。
さすが工学部。
なんで、この作品を放置してたのか。
若い時は謎解きが好きなんですよ、やっぱり。