こんばんは。
松本清張の「Dの複合」は、
大傑作です。
しかし、タイトルは、
いけません。
Dでもないし、
複合でもない。
派手なタイトル過ぎます。
この作品は、
動機が復讐!!
赤穂浪士も真っ青な、
執念深く計画的な大復讐。
清張センセには珍しい動機だあ。
最初は、ホント退屈過ぎて、
失敗したかと思いました。
羽衣伝説。浦島伝説。
若い時は、そんなものに興味持てないです。
でも、後ですごいことになるんです。
紀行文と民族伝承。
売れないヒマヒマ作家さんに
降って湧いた連載のお仕事!
取材費出るし、やりがいあるし、
タダで旅行できて‥
断るテはない。
でも、やっぱり、
どこかで、そんな美味い話はない、
と考えないといけませんね。
何か、ウラがあると。
その話を持ってきた浜中さんという編集者。
浜中。
ハマナカ。
どこかで聞いた。
ハマナカ手芸ではないですぞ。
短編「陸行水行」に出てくるあわや詐欺師?
と思われた旅の道連れの男の名前も「浜中」。
内容的にも、どこか似てます。
清張さんの作品に「浜中」が出てきたら
注意してください(笑)。
この際、タイトルのDは無視するとして、
Dは、地球を半分にした形。
Dは結構、不吉なワードです。
でも、だって、どうせ。
dark‥暗い
demon‥悪魔
devil‥悪魔
Death‥死
dirty‥汚れた
down‥下がる
drown‥溺れる
dust‥埃
disappoint‥失望
damage‥ダメージ
dull‥怠ける
ネガティヴワード満載。
短時間でこれだけ思いつきましたよ。
ちなみに、本書でのDの意味は
「度数」なんです。
計算症の女が出てきまして、
知能の低いわりに、数字に対する記憶力がいい
という特異体質の人なんですが
ありていに言うと、サバン症候群。
数を数えずにはいられない、という
一種の病気でもあります。
松本清張センセは、
恐らく、タイトルがまず浮かんで、
あるいは、トリックが浮かんで、
この作品を書いたのではないかと思います。
前半と後半では雰囲気もスピード感も変わります。
地理が好きな人は、
ウワーッ
と唸るはずですよ。😜
なんか、コワイですよ。
怪しさもあります。
ぜひ日本地図を開いてくださいね。ウフフ。
私も、木津温泉に♨️行きたくなりました。
描写に惹かれて‥。
派手な観光地より、こういう渋さ、イイですね。