こんばんは。

矢野龍王の「箱の中の天国と地獄」を紹介したら、
未読の「左90度に黒の三角」
をめちゃくちゃ読みたくなって、

いえいえ、

この人の作品は、見かけたら読むつもり。

ただ、急いでなかっただけです。

めちゃくちゃ読みたくなったので、

ブックオフに行きましたら、

ラッキーなことに、最初のお店・五反田店で見つけました。しかも100円。

我ながらすごい確率。
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さて、いきなり感想ですが、

この人の小説のクセはわかっているので、欠点やパターンには、目を瞑ることに慣れてましたが、
今回は、

さすがに庇いきれない!(笑)

という部分が、ありまして‥。

「箱の中の📦天国と地獄」は
長所が完全に優ってました。

しかし、今回の「左90度◀︎」は、
長所と短所が6対4

おっとっと


すみません、あらすじを紹介します。

例によってサバイバルゲームです。

限られた時間、空間、人物でもって、命をかけてゲームを、強制的にやらされます。

主催者は金持ちで、ゲーム会場は、相変わらずお金がめちゃくちゃかかってます。

主催者は、だいたい不親切で、正体不明で、意味不明で、あまり追求しないほうが賢明です。

参加者は、10人の若い男女。表紙の通りです。(笑)
ゲーム設定は、すごいです!
この作品の最大にして唯一の長所。

5人の男と5人の女がペアになって、
ある事件を劇場式に見せられて、一つの犯人当て、推理当てをやらされます。

で、ここからが肝心。

5組対抗で、
生きて帰れるのは、たった1組。

推理の時間は、1組につき24時間。

条件は、犯人とその理由がピッタンコの場合のみ。

つまり全員死ぬこともあるということ。

しかも、ここが特に重要ですが、
いっぺんに全チームで挑戦ではなく、
1チームずつ、個別面談よろしく、行われます。

順番は、希望制。
男女の組み合わせも希望制というか、自主性に任されました。
変なところで寛大な主催人。

2番めを希望したチームがかぶって、ジャンケンになりました。

そして、正解早抜けで、
アメリカ横断ウルトラクイズのように、
正解チームが出た時点で、残りのチームは、失格。
失格ということは、どうなるかわかってますよね?

早いのが得か、遅いのが得か?

貴方はどうしますか?  

普通に考えて、真ん中らへんがいいと思います。

というのは、後のチームは負けた前のチームの推理アイテムをソックリ引き継げるようになっているからです。
ヒントが増えて、手間ひまが省けるわけですね。

この10人は、かつてのクラスメート。
先の挑戦チームは、もし、自分たちが失敗しても、全員全滅にならないように、できるだけヒントを残すという約束をする人たちがいました。

そのチームは、劇中の登場人物と交わした質疑応答を、ワープロで完全に記録し、残してくれていました。

大ヒントじゃん!
ラッキーじゃん!

私も、この資料があれば、一気に真相へ辿り着けるゾ、と思いましたが

さにあらず。

次のチームが、残した遺言?は百八十度、アタマを真っ白にさせるものでした。

「〇〇チームが残したワープロ資料は全部ウソだ!」

そ、その手があったかー!🤭

さすが矢野龍王。

嘘つきパズルというパズルのジャンルがありましたっけ。


解かなくてはならない推理事件の内容とは‥

ある金持ち一家が、惨殺されます。
家族は9人。惨劇から逃れたのはたったの2人。
1人は薬チュウで、1人は、買い物に出て留守。

ゲームの参加者は、薬チュウの生存者に質問して、事件を解明していくのがルール。

当然、これは、ゲームなので、証言者は、都合よくしゃべってはくれません。
この家族は、基本仲が悪く、犯人は、誰でもおかしくなさそうです。
解くカギは、死んだ順番。

この推理ゲームのたたき台は、悪くなかったです。

2度読まずにはいられません。

いえ、絶対、2度読むようにできています。

くやしい。


欠点は、スピード感に欠け、
サバイバルゲーム独特の緊張感がないです。

何しろ、先行チームが別室で挑戦している間、残りのチームは、時間のつぶしようがないからです。
問題を知らないのですから、作戦らしい作戦を立てられません。
前のチームが失敗しますように、と祈るだけ。

その辺の焦燥感が、もっとあるといいのですが。

これって、死のゲームじゃなしに、
入社試験に使ったら面白いと思います。


タイトルはかなり重要です。珍しく。(笑)

無視してもいいですが、

タイトル=トリック。

メモを用意して、メモを取りながら読めば、
この作品はかなり面白いはず。


ただし、パズル以外の部分を、他の人に書かせたいですね。>_<