こんばんは。
ミステリー好きにはたまらなかった、
かつての土曜の夜10時TBSテレビ。
Yの悲劇で思い出したのが、
横溝正史シリーズと森村誠一シリーズ。
共通項はミステリーというより、角川文庫か?
横溝正史は、おどろおどろしい派手な連続殺人事件。
森村誠一は、その反対の政治・社会のリアルな人間ドラマに主軸を置いたミステリー。
この当時飛ぶ鳥を落とす勢いの人気の作家が、土曜の夜に交互に登場。
こってり横溝ミステリー連ドラで頭が疲れた後に、ハラハラな展開な森村ミステリー。
なぜ、松本清張ではなく森村か?
角川映画で「人間の証明」「野生の証明」が大当たりしたからだと思います。
で、これら人気作品を連続ドラマ化して、原作の雰囲気を味わってもらおうとという企画なわけですね。
どっちが先だか忘れましたが、
「人間の証明」の主人公がなぜか、岸本加世子で自閉的な女子高校生の役。八杉恭子という女政治家の名門の娘。そして毎晩冒頭に戦後間もない混乱のシーンがモノクロで登場。主役の刑事の子供時代が出てきます。映画では松田優作でしたが、
テレビは林隆三。
一方、テレビ版横溝正史は、石坂金田一に変わり、古谷一行バージョン。
これがどういう訳かウケまして、古谷一行こそが金田一耕助が最も似合う俳優に。
古谷一行の人気はものすごく、俳優長者番付にランクインしたほど。
「悪魔が来たりて笛を吹く」は、横溝シリーズの中でも白眉。
冒頭から、帝銀事件を思わせる宝石店での大量毒殺事件が登場し、息もつかせぬ展開になりました。
登場人物に若くして亡くなった沖雅也が出演したり、豪華キャスト。
フルートの音色が、ほんとに悪魔の曲のようにおどろおどろしい旋律でムード満点。
どちらも連続5回ほど。
ただ、「黒猫亭事件」は前後の2回だけ。
これは、元々が短編で、推理クイズ的な要素がありました。
「野生の証明」も林隆三が登板。
古谷一行と似てなくもないので、当時は混乱しました。
映画の薬師丸ひろ子に変わる長井頼子役は、オーデイションで選ばれた普通の中学生。
自分とほぼ同年代で、ものすごくかわいい女の子でした。
それから、ピーターが暴走族役で出てました。
ピーターを見たのがこれが最初でした。
そして証明シリーズの最後は「青春の証明」。
これはイマイチよくわからない話でした。
まだ、この頃の私は松本清張といえば、「点と線」ぐらいしか知りません。
人間の証明と、「砂の器」は社会派だけに、結構かぶっています。
ダイイングメッセージで始まる、ヒントの少ない被害者。
靴底をすり減らす刑事。執念の捜査。
社会的成功を手に入れた犯人にとって、過去は汚点でしかない。
そうとは考えず突然現れた過去を知る旧知の人間。
フジテレビも、本格と社会派のスライド登板を試みたようですが、
エラリークイーンの後は、
水上勉の「飢餓海峡」。
これも、過去を知る旧知の人間がノコノコ現れて、社会的地位を失いたくない犯人に殺される話ですね。
テレビでは見てないですが、だいぶ後に三国蓮太郎主演の映画版を観ました。
刑事の執念がすごいです。
フジのほうは、TBSの横溝シリーズほどには続かなかったようです。飢餓海峡で終了です。