こんばんは。
松本清張社会派ミステリーにハマるまでは、本格を愛好してた過去が‥。
逆の人は少ないと思いますが(笑)。
本格は、読む人も書く人も若くないと、
なんていうか、エネルギーが要るんですよね。
本格=推理
頭が謎解きモードになります。
エラリークイーンの「Yの悲劇」は本格のベスト3ですが、これが昔、フジテレビ開局50周年記念で石坂浩二主演で連続ドラマ化されたとお話ししました。
このドラマなしでは、自分はYの悲劇を読もうと思わなかったでしょう。
犯人の名前を知っていたので。
犯人がわかっていても、あるいは、まったく意外でなくても、推理が素晴らしければ、それほど気になりません。
ドラマや原作に触れれば、ほとんどの人が犯人の正体をカンで見抜けるのではないかと思います。
この話の魅力は、犯人当てではないのです。
ドラマの出演者は、夏目雅子、八千草薫。
ほかに江原真二郎。江原は、原作では長男。コンラッドの役ですね。
で、表題の石川数正です。
大河ドラマ「徳川家康」で石川数正を江原真二郎が演じてました。
今の大河ドラマ・女城主直虎では、徳川家康がかなり重要な人物で、当然その筆頭家老の石川数正は出てきました。
偶然にも江原真二郎は、別な役で、今川義元のこれまた家老格で出演。
石川数正については、松本清張の歴史シリーズの
短編小説を以前に紹介させていただきました。
「群疑」ですね。
歴史シリーズ短編には、かなり家康関連があります。どちらかと言えば、家康のせいで運命が狂った人の悲劇を描く、家康ヒドイシリーズです。
顔が気に入らなくて、可愛がる気になれなかった息子や、
特殊能力を重宝しながらも、冷血な視線を職人に向ける話など。
「群疑」の場合は、ヒドイというより、本人の自己責任みたいな部分もあります。
石川数正は、徳川軍団のバリバリのエリートだったんですが、秀吉との小牧長久手の戦で、戦後処理の外交を担当。
秀吉と顔を合わせているうちに、そっちに惹かれていき、ついに秀吉の家臣になることを決意。
一族郎党を連れて出奔してしまいます。
単に秀吉が魅力的というより、徳川家が居心地が悪くなったという部分が大きいですね。
その複雑な心理心境は、本編を読んでもらえれば、
なんか「松本清張らしい!」
と、頷かれることかと思います。
すごい決断をした割に、というオチも含めて、
こういうのって、あるよなぁ、とサラリーマン社会に置き換え可能。
今の「女城主直虎」では、後の四天王プラスワン的な位置づけの石川数正。
本能寺の変で幕を閉じそうなので、
石川数正の出奔や、虎松こと直政の出世まで、間に合いません。
脚本家の最終回の着地点の意図は、今ひとつわかりませんが、
主人公である直政の後見人的な女城主と徳川家との関わりに主軸を置いてるので、いろんなキャラの徳川家臣が出ています。
秀吉の家臣は有名な人が多いですが、
家康の家臣って、知られてないですよね。
ドラマにしても出てくるのは本多正信くらいです。
数正と本多忠勝のキャラがかぶっているのが、(顔までがなんとなく)
ちょっとだけ引っかかります。