こんばんは。

Yの悲劇は、エラリー・クイーンの不朽の名作となっております。
聴覚障害者の元俳優ドルリー・レーンシリーズです。
目次のところにいちいちハムレットのセリフが書いてあります。それはレーンがハムレット俳優だったから。

一方、「ローマ帽子の謎」など国名シリーズも有名です。
作者と同姓同名のクイーン警視親子が出てきて、会話は親子漫才であります。(笑)
「読者への挑戦状」つきです。
このシリーズは、作品にバラツキがあって、
好みが分かれるところであります。
全部で10作です。
ギリシャ、オランダ、フランス、ローマ、
エジプト、アメリカ、スペイン、チャイナ、シャム、ニッポン。
わが国の現役の数少ない本格推理作家「有栖川有栖」が、このエラリークイーンの大ファンです。
去年でしたか、ゴールデンタイムの連ドラに登場。セクシー俳優・斎藤工を擁し、「臨床犯罪学者・火村英生」シリーズが放映されました。

有栖川有栖さんは「Yの悲劇」大好きが高じて、
長編推理「月光ゲーム」は、
" Yの悲劇88 "という副題がついているほど。
確かキャンプ場で起こる殺人で、内容は国名シリーズの「シャム双生児の謎」に近く、クイーンのおはこであるダイイングメッセージも秀逸。
ノリはやや明るめ。

有栖川有栖は、ちなみに男性です。
どれだけクイーン好きかというと、国名シリーズを書いてます。
「マレー鉄道の謎」「イギリス紅茶の謎」など。

そんなことはいいとして、エラリー・クイーンの
最優秀賞に近い、作品をまた紹介します。
地味過ぎて、驚いてください。
その名も
「中途の家」🏠


めっちゃ地味なタイトル。
わたくしめは、何を血迷ったか、「あらすじ」を読んでこれを買ってしまいました。
中学生の時だと記憶してます。

国名シリーズでも悲劇シリーズでもなく、
表紙もタイトルも、とにかく地味。
あまり有名ではありません。
買ってしばらくは、「途中の家」だと思い込んでました。

ですが、「中途の家」が正解です。
何度もタイトルを見直しました。(笑)

中途と途中は、似てますけど、微妙に違います。
調べていただければわかりますけど。
そして、それは、作品的にめっちゃ重要。

現場は中途の家です。
被害者はなぜかフィラデルフィアとトレントンで、二重の生活を送っていました。
そのまさに中間地点の家で殺されるのです。
死んで初めて、その不可解な事実が浮かび上がります。

自分の夫が、実は、よそで別の人物として生きていたら、ショックは尋常じゃないですよね?

平日がフィラデルフィアで、週末がトレントンみたいな。

ところで、中間地点で殺されたとなると、
果たしてこの人物は、どちらの人物として、殺害されたのでしょうか??

というのが、すごい興味深くて、本を買ってしまいました。
とにかく、ロジック半端ない。

最後はクイーンお得意の消去法で、ズバーンと、
犯人を指名します。
驚いたの、なんのって。
その鮮やかな推理にです。

地味ではありますが、侮れない大傑作。
正直、Yの悲劇の次と言っても、言い過ぎではないです。

テレビでやって欲しいです。