こんばんは。
古典の金字塔「Yの悲劇」は、
沢山のアイテムで、成り立っています。
前に「犬神家の一族」に似ていると言ったのは、
雰囲気です。
「館もの」であり、
遺言状が出てくる、資産家である、変わった一族である、血筋の問題が出てくる、ということでしょうか。
「よき(斧)」「琴」「菊」
といった、アイテムに当たるのが、
卵酒、毒梨、パウダー、バラライカ、暖炉、ヴァニラ、実験室‥。
卵酒は、この事件の発端です。
三重苦の女の人は、毎日、お昼過ぎ、決まった時間に、決まった場所に置かれた卵酒を飲む習慣があります。
決まった場所なのは、彼女は、目が見えないので、コップを確実に取りやすくする為です。
テーブルの、センチ単位で決まった方角の場所に、きっかり2時に、家政婦が置くのです。
もちろん、容器も毎日同じです。
ところが、ある日、彼女のコップに、致死量のストリキニーネが入れられました。
幸い、死なずに済みました。
そして、しばらくして、同じ部屋で寝起きしている母親が、深夜、マンドリンで殴られて死亡します。
現場の果物皿には、三重苦の長女が食べる、梨に、これまた致死量たっぷりの塩化代ニ水銀が注射されてました。
テレビでは、三重苦の長女は、末っ子となって、年齢も二十歳くらい、原作では、母親と先夫の子で、40歳くらいとなっています。
老婆が殴られる凶器は、テレビではバラライカ、
原作はマンドリンです。
軽めの楽器というところがミソです。
そして現場にはパウダーが床にブチまけられていて、犯人の足跡がついていました。
テレビで印象的なのは、暖炉です。
夏場なので、暖房器としては使用されてませんでした。
そしてヴァニラの匂い。
老婆が殺された時、一緒に起居している娘が目覚めて、犯人の一部に触りました。
その時に、バニラの香りがしたというのです。
原作では、突拍子もないことを証言したということで、警部はキチガイ扱いしますが、
レーンは、彼女の証言は信頼に値すると判断。
どうしてどうして、だらしない人間の集まりの中で、一際しっかりしているのが、この三重苦の女性です。
家中捜してもバニラはでてきませんでした。
匂いの正体は後半に判明しますが、お菓子でも香水でも花でもなく、すごく意外なものでした。
女主人の老婆が死んで、遺言状が公開されます。
老婆は三重苦の娘を溺愛しており、彼女の後見をする者には、相応の資産が入り、逆に断った者には減額という報復が記載されてました。
老婆には、三重苦の彼女以外に3人の息子や娘がいて同居してます。
その
遺言状発表のあった夜、暖炉のある実験室で火災が発生しました。
これら一連の事件は、老婆の自殺した夫・Yが考えたものであり、偽の手がかりが用意されてます。
真の手がかりは1つだけです。