こんばんは。
あなたは、ヘレンケラーを知ってますよね?
数少ない女性の偉人さんです。
見えない、聞こえない、喋れないの三重苦の障害を、幼い頃に背負い、甘やかされワガママな少女だったヘレン。
サリバン先生の体当たり授業で、言葉があることを知って、ついに大学院まで進んだ人です。
昨日から「Yの悲劇」の異様な事件について書いております。
誰かが、死んだ人の書いた推理小説の筋書き通りに、犯罪を実行している!
「八つ墓村」もそうです。
久野医師は、新しく村に入ってきた優秀な医者に、患者を総取りされて、悔しくてウップン晴らしに犯罪メモを作ります。
それは、八つ墓村、双子リスト。二組の対象者を何組か並べただけのものです。
その中に医者の項目がありました。
この項目の片方だけを殺して、八つ墓明神の生贄にするという、ただのリストです。
これを拾った犯人、この段階では犯人ではありませんが、シメシメと思いました。その犯人は、遺産相続を狙っており、久野医師の作ったリストにそのターゲットが全て入っていたので、盗用実行しました。
犯人が、都合よくアレンジを加えたわけです。
ところが、Yの悲劇の実行者は、他人の計画に己の利害が一致したから、実行したのではないのです。
その辺が、悲劇たる所以です。
なんと、実行のための実行なのです。
実行そのものが目的なのです。
筋書きでは、Yという人物が容疑者として決定される手がかりが提示されますが、それすら犯人はキチンと実行に移しています。
被害者の老婆が、テレビでは、バラライカという楽器でぶん殴られて死ぬのですが、一緒の部屋の隣のベッドに寝ていた老婆の娘が、犯人と接触。身体の一部を触ったと証言します。
しかし、娘は、三重苦の障害を持っており、接触したとはいえ、顔は見てないのです。
証拠能力はゼロに等しいのです。
彼女が証言したのは、犯人に対面した時の、
触覚と嗅覚だけでした。
犯人に触った時、「バニラの匂い」がしたと、
テレビでは、指文字を使って説明してました。
しかし、この家には、バニラの匂いのするものは、どこにもありませんでした。
お菓子、調味料、化粧品、花、どれも違ったのです。
原作では、娘の友人、同じく障害者で足の不自由な元船長が外国土産で持ってきた蘭の花に、同じバニラの香りがしたと証言。
しかし、その蘭の花をもらったのは、7年も前。その時の匂いを記憶していたこと自体に、
探偵や周囲の人が驚いていました。
つまり、この三重苦の娘の嗅覚は、相当なものだということです。
探偵は、もう一つ感動します。
彼女に、二回、犯人に触れた時の動作を再現させるのですが、
2回目の動作が完全に初回と寸分違わず一致してたのです。
この驚くべき記憶力は信頼に値するというわけです。