こんばんは。
清張歴史ミステリへようこそ。
ブラック家康シリーズNo. 1の呼び声が高い短編
「武将不信」
そして謎の信康切腹事件。
今、角界が騒然となっている謎の暴行事件。
共通しているのは、加害者と被害者は、実際どうなの?
こういうのは、実は被害者と加害者は逆だったり、
つまりワンセットで表裏一体だったりします。
赤穂事件。加害者は浅野内匠頭。
被害者は吉良上野介。
でも、吉良が加害者という人が沢山います。
原因をさんざん作った。
そして、結果だけをみて、斬られた方が被害者に。
部外者ほど、安易に結果で判断して、もっともらしいこと言いますね。
暴力はいけないだの、手を出したら負けだの。
被害者が黙ってるということは、被害者にも後ろ暗いところがあった?
長男信康切腹と築山殿斬殺は、織田信長が命じたことになっていますが、
どうも背景がモヤモヤしすぎています。
原因がわからないのです。
それを家康も、語っておりません。
信長が死んで、天下人となったならば、もう少し、はっきりしてもよさそうなものです。
これがどっちか片方だけならまだしも、
処分されたのが2人というところがミソ。
つまり、残りの片方はダミーでは?
という疑いが残るのです。
今、放映中の大河ドラマと違って、一般的には、正妻とうまくいってなかったという通説があります。
つまり、瀬名こと築山殿の処分は、家康にはそれほど痛恨事とは思われないのです。
ドサクサに紛れてついでに処分したのでは?という説もあるくらいです。
どっちにしろ、この事件は異様ですね。
山岡荘八原作「徳川家康」では、
大賀弥四郎という下男だか、小姓だかが武田の間者で、築山殿と通じているというチクリの手紙を長男の嫁・徳姫が父信長に書き送って、
信長がこれは本当か、と家康に訊ねています。
家康は弥四郎を土に埋めて、ノコギリ挽きの刑に処しています。この映像はトラウマになりました。
家康は主人公だから、「えっ」という感じでした。
とにかく、この時代の家康は信長を恐れ、気を使っていました。どれだけかというと、長男の結婚祝いに信長から贈られたニシキゴイを、
家康は嬉しそうにタライに入れて大切にします。
留守の時、古い家来がそれをワザと切って料理してしまいます。
家康は激怒して手討ちにしてくれると言いますが、家来も怯みません。
「殿は臆病風に吹かれておいでじゃ。
鯉は鯉でしかないものを、そんなに弱いお心でなんとします!」
余談になりますが、
信康事件の原因を作った信長の娘・徳姫を
まだ当時は無名に近い田中美佐子さんが演じていました。
ちょっとしか出なかったですが、一種イヤな役です。
田中さんは「おしん」でもイヤな嫁を演じていました。乙羽信子おしんの長男の嫁役です。
でも、この後トレンディー女優として、大活躍することになるとは思いませんでした。
さて、「女城主直虎」も、最終回まであと数回もありません。
信長はピンピンしていますが、
年末まで生きている信長も嫌ですね。
NHKに助命嘆願された信長は、今のところ2人。
「黄金の日日」の高橋幸治と、
「秀吉」の渡哲也。
どちらも信長にしては温厚。
ドラマによってその都度キャラの変わる信長さんたちです。
海老蔵信長、早く死なないと、井伊直政の活躍がそれだけ遅れることに。
関ヶ原どころか、この分では、
最悪本能寺の変、よくて小牧長久手。
主役は直政ではなく、その義理の親だから、
女城主が死んだらその時代で終わりです。
不思議なのは、信長の家来で出てきたのが、
光石研演じる明智光秀だけということ。
秀吉は?
出してるヒマがない?
もしかしてワザと?
去年、真田幸村が活躍したど真ん中の関ヶ原合戦シーンを全面カットした「実績」から
秀吉がまったく出ない織豊時代をワザと描くつもりでしょうか?
なかなか異例の話であります。
目立たない榊原康政を尾美としのりを使って、
四天王カルテットを、デビューさせようとしています。