こんばんは。
コミックスで読んだ横溝正史の「八つ墓村」。
漫画→映画→原作
この順番で、原作にたどり着きました。
衝撃の犯人、
その動機
物語の結末
主人公・多治見辰弥の意外な出生
まあ、驚くことおびただしかったです。
冒頭から、衝撃の落ち武者伝説。
中国地方の戦国大名・尼子義久を題材に、8人の落ち武者が恩賞に目が眩んだ百姓に血祭りにあげられ、全員討ち取られるという話ですね。
映画では、村祭りにこと寄せて田中邦衛らがだまし討ちにあったその恨みの形相が凄まじく、トラウマになるほど。
その後、落ち武者の霊を鎮めるためにお墓を立て、八つ墓村伝説が。
それと、村の有力者の多治見要蔵が嫉妬に狂って、村人たちに矛先が向かって、子供を含めた
老若男女32人を無差別に殺害。
これも映画では山崎努が、田中邦衛に負けないド迫力で熱演。
漫画でも、多治見要蔵は怖かった。
要蔵は捕まることなく、鍾乳洞に入ったきり行方不明に。
さて、そんなことは、八つ墓村の本編では、どうでもいいことで。
この八つ墓村では多治見家の双子の老婆・小梅と小竹が不気味。
問題の要蔵の叔母にあたるらしい。
可愛い老婆ではなく、海千山千の憎たらしそうな老婆です。
発狂して凶悪な犯行を犯した要蔵を、鍾乳洞で密かにかくまい、ある日、おにぎりに毒を入れて毒殺。旧家の名誉の為なのか、よくわからない人たちです。
以前、江戸川乱歩の双子の老人が出る「三角館の恐怖」を紹介しました。
あれは、双子と言っても、顔がそもそも似ていない、体型も、健康状態も、考え方も
子供の教育方法も、真逆な、老人たちでした。
別に双子であることに重要な意味はなく、年の近い兄弟で十分でした。ただ、屋敷が双子のように左右対称な作りをしてただけのことです。
でも、小竹たちは違います。
顔が似てるところが重要だし、八つ墓村の事件のすべての原点がこの双子から出発しています。
みなさんはご存知だと思いますが、
八つ墓村の連続殺人は、犠牲者の数は全部で8人です。
犠牲者は、8つの左右対称になっているリストから選ばれていました。
双子、長者、医者、尼、坊さん、娘、跡取り、博労の8つの項目です。