こんばんは。

刑事コロンボ型の、いかにして、犯人のミスを誘うか、矛盾をつくか、
倒叙型の傑作「心理試験」で、犯人対探偵の攻防の、スリリングさを理解して頂けたと思います。

そのミスは読者の気づかない部分なので、結局、
犯人探しと同じくらい、ある種のスリルがあります。 

それでも、私は、犯人当てのような、
犯人の正体が知りたくなるような推理小説が
大好物であります。

原体験は江戸川乱歩、「呪いの指紋」で、
鮮やかな明智探偵の推理に
感嘆したのであります。

その頃と時期が多少、同時期に、横溝正史の漫画がありました。
その名も「八つ墓村」
描いた人は影丸丈也。
ゴルゴ13のような劇画調です。

ませた友達が面白かったと貸してくれました。
小学生が読むにはシブい漫画の絵と内容。
それがなんと、上巻だけ。
あまりにも面白くて、友達の本なのに、
弟を、はじめ、社宅の友達にも勝手に回し読みさせました。
映画化になる前でした。

変に上巻だけ読んだから
先を想像して、眠れなくなりました。
ワクワクってやつです。

なんと言っても、双子の老婆の存在がすごい!

小梅と小竹。

80歳くらいで顔がソックリ。

村でも有数の財産家である多治見家を牛耳っているのです。

それから、鍾乳洞の迷路。
木霊の辻とか、猿の腰かけとか、鬼火が淵とか、
名前がついているのです。その名前からして魅力的。天狗の里とか狐の穴とか。
全編をつらぬく鍾乳洞の冒険。

迷路には金銀財宝が隠されているらしいのです。

筆で描かれた鍾乳洞の地図が、魅力的でした。
漫画ならではですね。
双子の描写も迫力がありました。

絵が上手というのは大きいです。


これに比べたら、今まで読んだ恐怖漫画の、なんとつまらなかったことか。