こんにちは。
昨日は、某有隣堂で注文したはずの本を、引き換えに行くのをスッカリ忘れてました。
注文して、受け取るまでの期間はたった2日なのに、楽しみにしていたはずなのに、当日、まったく本の事を思い出さなかったです。
昨日は、取りに行かなきゃ、とついでにホリエモンのあの本もついでに手に入れようと思っていたのに。
雨というのもあつたかもしれないし、新しい本に興味が入ったというのもあるかもしれないし、職場や家庭で気に入らないことがあったかもしれない。
で、江戸川乱歩の「影男」でしたね。
変幻自在、神出鬼没、多芸多才の影男。
影男というくらいだから、影で活躍するという裏稼業人生。人の秘密を見て歩き、その心の隙につけ込んで、ユスリを働くのが影男の真骨頂です。
そのために、名前や肩書きを複数持ち、「仕事」の種類で使い分けしています。
秘密クラブ潜入では、クライアントのために自分の地所に死体を埋めました。
そういうイザという時のために、いくつか古井戸のある地所を持っているのです。その不動産所有主は「速水荘吉」。
自分の活躍を犯罪小説に書いて、人気作家として不労所得も得ています。「佐川春泥」というペンネームです。
こんな影男ですが、ある日、とんでもないライバルが登場します。
お前の悪事はお見通しだ!
その名は「須原正」。殺人請け負い会社取締役社長です。
その社長が影男を、銀座のバーに誘い、自己紹介します。ルックスは青白い顔をした、35、6の小男。
代理殺人というその恐るべき営業方法とは⁈
広告を打つわけにもいきません。なので、自分で金持ちの、潜在需要のありそうな客を探すそうです。
須原いわく、地位のある金持ちのほうが、欲望が強く、絶対安全とわかればいくらでもカネを出す、十分に営業が成り立つと。
事務所ができて、一年になる。過去に6件依頼があり、処理したと。
これから、ますます繁盛するから、自分たち3人の所員では手に余るので、アイディアを出す顧問が欲しい。
これがコンタクトを取った理由です。
影男はクールに須原の業績、その他尋ねます。
須原たち仲間3人は偶然に知り合い、生死をともにする仲だと。
3人の内訳は、評論家くずれ、女医くずれ、須原は学者くずれ。
稼いだお金は3人で山分けだけど、
影男が加われば、4人で25%、取締役並みの配当を出すと、須原は持ちかけます。
影男はアイディアを出すだけでいい。
実行まではしなくていいと。
できれば、速水荘吉が持っている古井戸も
時と場合によって、使わせてもらいたい。
使用料はまた別途です。
好奇心の強い影男のこと、こんな話を断る理由はありません。
ただ、やはり須原のほうが手強い感じがします。
佐川春泥の小説で、これはフィクションではないと見抜き、ウラもとっているのですから。
おそらく、読者も、須原のインパクトは相当なものだったはず。
影男の影が一瞬、薄くなりましたね。