こんばんは。

今日は、「カズオ・イシグロ」氏がノーベル文学賞を取ったことで持ちきりでした。

本人は何かの間違いじゃないか、と受賞に関して大変驚かれたそうで、なんかいいですね。

最近5冊ほど、本を買いましたが、なぜか買ったことに満足して、まだ読んでいません。
めったに溜めることはないので、珍しいです。

それって、本当は読みたいのではなく、とりあえず安心感を得るために買ったのではないか、と自分で分析してます。

しかも、今日は大手町オアゾにある「丸善」で、また気になる本を見つけ、衝動買いしそうになりました。
それはホリエモンこと堀江貴文の本で、タイトルは秘密にしておきます。
手に入れてから教えますネ。

さて、不思議なことに、ブログで昔読んだ乱歩の作品を紹介しているうち、なんか自分でも久々に読みたくなりました。
それが「影男」。

光文社文庫の乱歩全集の「月と手袋」に影男が収録されており、それを買ってしまいました。

「影男」私のお気に入りなのですが、どういうわけか世間の評価は高くありません。

乱歩といえば「陰獣」「屋根裏の散歩者」「孤島の鬼」「黒蜥蜴」「D坂の殺人事件」など、有名というか、代表作のようですが、「影男」は影がうすいです。

すごく面白かったのに!


影男の評価があまり高くない理由は、
色々な作品とかぶる部分が多い、ということにつきると思います。

特に「大暗室」と「パノラマ島奇譚」は共通しています。乱歩の、欠点ですね。部分的に自分の作品を別な作品にコピーしてます。

影男の良さは、
キャラクターです。
頭が良くて、色々な顔・肩書きを持ち、
変装の名人。ナルシスト。同性愛者ではありません。
稼業は「ゆすり」。アニメのルパン三世の「ユスリ版」のようなものです。

ある秘密クラブの催し物があり、影男は潜入します。
その催し物の最中、事故が起きて死人が出ます。秘密クラブの会長は大慌て。そこへ影男が正体を明かし、知恵を授けます。
死体を、この世から消してあげましょうといいます。
もちろん、コンサル料を請求します。
そこはプロです。この影男の知恵で、秘密クラブの会員たちは、破滅を免れることができたのです。
そして、この一件が解決したあと、「佐川春泥」というペンネームで、このケースを犯罪事件簿として小説を書きます。作家としての顔も持っているのです。印税のことを考えれば、
一粒で二度美味しいグリコみたいなものです。

そんな影男にピンチ?が訪れます。
殺人請け負い会社の社長が、影男とコンタクトを取ります。
佐川春泥の小説はフィクションに見せた事実だろう、何もかも知っているぞ、というのです。
ユスリを生業としている影男が、ゆすられるのですね。
そして、社長はその恐ろしい稼業を明かし、我々のチームに入らないかと、誘うのです。
アイディアを出すだけでいいから。

影男は、好奇心の強い男なので、
だからこそ、
このような裏稼業が務まるとも言えますが、
殺人事務所所長の話に興味を持ちます。

そして正式にアイディアを提供します。