こんにちは。

遺産相続ミステリーの傑作・「三角館の恐怖」のお話をしています。

昨日話した、大富豪のとんでもない遺言状が、元は仲の良かった双子の兄弟を苦しめています。


" 双子の、生き残ったほうに全財産を譲る! "


今日、初めて読んだかたは驚きますので、二、三日遡ってくださいね。

決してサバイバルゲームではないし、仲違いさせようという魂胆はまったくない遺言です。

双子とその富豪である先代に血の繋がりはありません。先代は一代で巨万の富を築いた創業者。
孤児の双子を拾い、育てます。
誰よりも、お金のありがたみを知っているからこそ、双子にそれを説いて、カンタンに相続させることをしませんでした。
できるだけ財産を減らしたり使わせるのを避けるために思いついた遺言なのです。


そう、先代の意図は、二人に長生きさせたかったのです。長く屋敷で仲良く暮らしてほしいと。
なぜなら先代は、お金儲けの無理がたたって、晩年は健康を害したからです。

先代が死に、月日が経ち、双子も子供を持つようになると、それぞれの人生の運営方法も変わってきます。

現在、二人は70歳。
兄・健作の家族は、30歳前後の長男と次男。奥さんは死亡。死んだ奥さんの妹が蛭峰家に住み、彼ら甥っ子の面倒を見てくれています。

弟・康造の家族は、30歳前後の養子と養女が一人ずつ。結婚しなかったので実子はいません。そして、養女のほうは、結婚し、お婿さんも養子に入り同居。それと猿田という名前の老執事。

三角館の住人は兄側4人、弟側5人、家族構成もそれこそ双子のようにバランスが取れています。

健作兄のキャラ‥豪放磊落、熱血家。
康造のキャラ‥石橋を叩いて渡る


兄の健作はここへきて、大ピンチにおちいります。持病の心臓病が悪化。
とてもじゃないが、弟より長く生きることはできない。
そうなると心配なのが、息子たちの先行き。
息子たちは、今で言うニートなのです。どうしようもないクズ。(失礼!)

健作老人は森川弁護士を呼び出します。

「自分が死んだら財産はすべて弟のものになります。息子たちは生活力がないので、そうなったらおしまいです。
今夜は、思い切って弟に頭を下げます。
弟には、どうか、先代の遺言の変更に協力してほしい。どちらが先に死んでも、残ったほうは死んだほうの遺族に財産を半分相続させるという内容にです。
弟の同意を得たら、森川さんに遺言状の書き換え書類を作成してもらいたい」

さて、弟・康造は同意してくれると思いますか?