こんにちは。

ミステリー案内人・稲葉の白兎です。

子供の時、小学校の中学年から高学年にかけてですが、ポプラ社の「江戸川乱歩・少年探偵シリーズ」(約40冊)を制覇しました。


このうち、図書室で借りて読んだのが大半。

実際に手に入れたのは、たったの2冊。

1つは「地獄の道化師」。
親に買ってもらいました。クリスマスか誕生日かに、「本を買ってあげる」と言われました。
で、自分でセレクト。表紙とタイトルで選びました。
2冊目は、「三角館の恐怖」。
これは、自分のお年玉か何かで自腹で買いました。つまり、お金を出して買った最初のミステリー作品です。

三角館を選んだ理由。
ラストナンバーだから。読み尽くし、最後に残った未読作品がコレでした。
表紙、あらすじ、一切関係ありません。

これは、大当たりでした。


最後の最後に、とんでもない大作に出会いました。図書室で借りないでよかったです。

推理小説なので殺人事件が、発生します。
推理小説なので、殺人犯を当てなければなりません。
推理小説なので、意外な犯人に驚かなければなりません。
推理小説なので、犯人の犯行、推理に納得できなければなりません。

犯人明かしまで、何回も読み直して考えました。

この話のメインは、双子の老人の
遺産相続の行方です。

この双子は、大富豪に育てられました。
大富豪は双子を愛していました。
愛するがゆえに、簡単に財産を相続させませんでした。
大富豪は財産相続に条件をつけました。
双子の片方のうち、どちらか長生きしたほうに、全財産を譲る、です。

先代に悪意はありません。
命の大切さを教えようとしたのです。
それに、財産を相続しなくても、今ある不動産、株の配当だけでも、双子の生活は悠々と成り立っていたからです。

双子は、その屋敷に住んでいる限り、何の問題もありませんでした。若いうちは他の双子たち同様、仲もよかったのです。
しかし、それぞれ、実子なり養子なりができますと、徐々に、先代の変わった遺言が重要性を帯びてきます。
自分の息子たちに遺産相続させたいと思うからです。
片方に全財産が行くということは、もう片方は文無しになるのです。

そこで、だんだん仲が悪くなり、相手に自分の健康状態を知られたくなくて、邸内分断を敢行。
外から見ると三角形の屋敷になります。

真ん中のホールを共有部分として、エレベータを設置、右手が兄側・健作老人。左手が弟側・康造老人の住居に。
3階建ての二世帯住宅といったら、わかりやすいでしょうか。
広さは二百坪。どちらの家にも女中さんが2人、弟側には執事もいます。

そんな中、双子の兄側・健作老人に
ピンチが訪れます。
森川弁護士に遺産相続について、ある相談をします。
その相談とは?
また次回です。