こんばんは。

ミステリー案内人・稲葉の白兎です。

今日、本屋で、ビックリするタイトルを見つけました。
ミステリーコーナーというよりは、新刊コーナーです。
伊坂幸太郎の「ホワイトラビット」。

後ろを見ると、「因幡の白兎」がどーたらこーたら‥‥。
「稲葉」違いで安心しましたが。

白兎を英語にするとホワイトラビット。
というより、ホワイトラビットを日本語にすると白兎。

どーでもいいですけどね。
多分、動物のウサギ🐇さんは出てこないと思います。 


ミステリー用語に「お屋敷モノ」というジャンルがあります。
そこそこ、大きい家で、家族それぞれの独立した個室があって、旧家がらみが多いですが、そこで起こる殺人事件。

横溝正史の「犬神家の一族」がその最たる話ですね。

江戸川乱歩では「暗黒星」、「幽霊塔」。
オリジナルではないけれど、「三角館の恐怖」。

お屋敷モノは、遺産相続がらみの動機が多いです。
お屋敷は資産家の確率が高いので。

八つ墓村は、広範囲のお屋敷ものと言えそうです。
犯人の動機は、遺産目当てです。

遺産相続というと、弁護士。

検死に医者の見解が必要なように、
相続が、遺言状が、有効になるために弁護士が必要です。

「三角館の恐怖」は、究極のお屋敷モノです。

そして、究極の財産相続のハナシです。

犬神家もビックリな、露骨な、財産を巡っての争いです。

そのため、弁護士が、明智になり変わって活躍せざるを得ません。

弁護士って、推理小説ではイマイチ存在感ない人が多いですが、
三角館の森川弁護士は、好人物として、印象に残っています。

「三角館」は、ご近所の人たちがつけたネーミングのようです。


三角館の由来は、
元は一軒の広大な屋敷でした。持ち主が亡くなったあと、徐々に遺族の仲が険悪になりました。
遺族は双子で、別々に屋敷内独立ということで、家を中で分断することに。
双子の二世帯住宅になったわけです。
それがある角度から見ると、三角形ぽいらしい。

兄側は、蛭峰健作。
弟側は、蛭峰康造。

二人は実の双子ですが、世間の双子とまるで違います。
顔等まったく似ていません。


双子というと、つい警戒してしまいますが、
双子としての外見や、屋敷の構造は、無視して結構です。推理のキモはそこではないです。

2人とも約70歳。
キャラクターは正反対に近い。


兄は、短気だが、カラッとしている。スポーツ大好き。酒、タバコ大好き。息子たちを甘やかしている。


弟は、思慮深い。と言っても、どちらかというと、陰険で用心深い。運動はしない。
酒、タバコなし。
結婚してないので子供はない。実子の代わりに養子と養女がいる。

体型までも違います。
兄は、ガッチリ。
弟は、ヤセ。

兄は、車椅子で、持病があり、医者にかかっています。

そもそも何で二人は仲が悪くなったのが?
それは、また明日、お伝えします。