こんばんは。

久しぶりに見た松本清張連ドラ。
ついに最終回を迎え寂しい限りです。

ややキレイ過ぎた終わり方に不満を持ったかたもおられるでしょう。

それにしても、清張作品は、数あれど、なぜ「黒革の手帳」は何度もリメイクされ、もてはやされるのか?

悪いことをした、最初にいい思いをした主人公が、倍返しのような、致命的な転落をする長編は他に、何作もあります。
「けものみち」「わるいやつら」「黒革の手帳」は、
勝手に、
「原因と結果が同じ」
「善人が出てこない」
シリーズ三部作と命名させていただきました。
最近、これに「告訴せず」も入るかなと気がつきました。
「告訴せず」は、おおまかな中身は似ているんですが、
主人公に悪の魅力があるかないか?
が、ほかの3作品と違うところです。

あまり主人公にオーラがないです。
悪い人って、変な話、魅力ある人が多いじゃないですか?
でも、告訴せずの主人公は、悪いことをしただけ。元は普通の人なんですよね。しがない40男。

選挙資金を、
裏金の運び屋をやらされて、魔が差して、拐帯しちゃうんです。
拐帯後は北上し、行き当たりバッタリ。
我々の目線に近い人物です。
こういう人を地獄に送るのが清張さんは得意。
でも、他の人は、根が悪い人です。

原口元子はなぜ、銀座クラブにこだわったのか?
つまり、元子ではなく、こだわったのは、原作者の清張先生。

いまどき、ホステスは銀座ではなければ、というのはないと思います。
元子さんはむしろ、六本木や新宿向きじゃないかと。
銀座ホステスは、年齢も美貌も、それほど問われない。
アラフォーのママやホステスはかえって普通。
雰囲気美人で大丈夫。
微妙なヒト、多いと思います。
それより、気配りスキルのウエイトが高い。

テレビのように逆にママがあまり美人すぎると、他のスタッフがしらけるし、銀座はラクして稼ぐ場所じゃないですね。

清張先生の時代は、
女の頂点は、夜の銀座にあり、だったんでしょう。
実際、センセは執筆ネタに銀座に通い詰め、ホステスにじかに取材。
女の気持ちは女に聞くのが一番。

テレビの元子ママのいいところは、
銀座クラブの正装とも言うべき和服が似合ったこと。
着る人と着られてしまう人がいるとすると、彼女はキモノを着た人。
着物に着られなかった。

仇の波子さんはどう見ても着られてしまってた。(笑)。
わざと似合わない人をキャスティングしたんでしょうね。

個人的には、最終回、出前のお寿司を高畑淳子と食べるときに着てた洋服が好き。(^^)/