こんばんはです。

今日も遅くなってしまいました。

昨日、映画「関ヶ原」を観ました。

そこの映画館は、色んな映画が見られる、いわゆるシネコンっていうやつだったんですが、
なぜか「関ヶ原」のチケットを買った人だけ、
花王のハミガキ粉の試供品をプレゼントされました。

そんなことはどうでもいいですが、
同じ司馬遼太郎の関ヶ原で、6時間ドラマと映画を見比べるつもりで観ました。

岡田准一と加藤剛。
30年も隔たりがあるので、出演者がまったく違うというか、三船敏郎をはじめ、6時間ドラマの方ではすでに亡くなったかたが沢山いらっしゃいます。
石田三成視点ですが、もう片方の主役・徳川家康の森繁久弥さんも亡くなってますし。

淀殿の三田佳子は、まだ若かったですね。
映画の淀殿は、最初にちょろっと出て、以降まったく出番なしでした。


映画の関ヶ原は、やたらにスピーディーでした。
テンポはいいですね。
音楽もよかったし。

以前、映画で川中島合戦を題材にした「天と地と」を見たのですが、あれに似ていました。

要するに、戦闘シーンそのものを集中的に、
ガチで見せたのです。

フォーメーションですね。

魚鱗の陣だの、鶴翼の陣だの、あるいは三国志映画レッドクリフみたいに、
陣型、フォーメーションの世界です。

関ヶ原は、9月15日の午前8時に火蓋が切って落とされました。

そして、各所で、オリンピックの陸上競技会みたいに、あっちで100メートル走、こっちで幅跳び、向こうで砲丸投げ、といったスポット的な戦場で東軍と西軍が闘うんですね。


大砲もしばしば出てきて、大した迫力です。

テレビの大河ドラマや、スペシャルドラマでは、
とうていできない事を、スペクタクルに見せていました。

"関ヶ原の戦い" ってよく知らない、という人が見ても、
ああ、こういう「いくさ」だったのね、と納得してもらえる作りになっていました。

川中島合戦は決着しないし、どっちが勝ったのかまるでわからず消化不良を起こしましたが、
こっちは、結末は明らかです。

映画の関ヶ原は、「小早川秀秋」がかなり重要な人物として登場しました。
って、この人がキャスティングボードを握っているので、当たり前なんですが‥


でも、今回の小早川秀秋は、従来の秀秋とはあえてキャラを変えて、新解釈版・小早川秀秋でした。

優柔不断に陥ったところを、徳川が大砲で脅して、怖くなって仕方なく西軍を攻撃‥というのが従来のパターンでした。

その通説がまかり通っていますが、戦場では、どちらから大砲が聞こえるかまったくわからないというのが、現場での専門家の意見です。
私もこれは徳川の作り話だと思います。

秀秋は徳川と裏で繋がっていたものの、やっぱり義を取ろうと、石田軍に味方しようとしたのですが、
家来が「もう、遅い」とか「徳川がいい」と言って、秀秋の采配を無視して、無理やり「敵は大谷刑部なり!」と三成側の大谷刑部隊に襲いかかります。
「ち、ちがう!」と言っても、家来たちが秀秋の命令を無視して駆け下りて行ってしまいます。

これも、もともと秀秋の決断が遅すぎたのがいけなかった。

秀秋は、朝鮮の役で、石田三成に戦場でのよくない態度を咎められ、窮地に陥ったので、三成を悪く思っていました。
しかも秀吉の正室・北政所が、
家康に就きなさいと教唆します。
しかし、北政所が石田三成の実の娘を、養女として引き取って育てているのを見て、
秀秋は愕然とします。

(北政所さまは、石田三成の血を絶やさないように図っている。ここは豊臣に味方するべきではないのか?)
と、考えるようになりました。

従来の秀秋像より、真面目な人物として、描かれていました。優しいというんですか。

6時間を3時間、正確には2時間半に短縮。
ストーリーは駆け足で、
戦闘シーンに特化した関ヶ原でした。

まさに秋の大運動会といったところ。