こんばんは。

松本清張社会派ミステリにようこそ!

なんて、言いますと、
清張か社会派ミステリが好きなんだな、と思われそうですが、

子供の頃は、本格一辺倒。
当たり前ですね。
子供が社会派ミステリなんて読むわけがない!(笑)

導入は、江戸川乱歩の少年探偵シリーズ。
毎週、学校の図書室でこのシリーズを3冊以上借りて読む日々。

友達と競争です。

「あ、それ読んだ」
と言われると悔しいので。

無駄な抵抗でしたが。

読んだ人ならわかると思いますが、少年探偵シリーズは、偉大なるワンパターンの世界でして。
「あー、またコレ⁉︎」
期待しては騙され、期待しては騙され、今度こそ
これだけは他のと違う結末に違いない。
しかし、やっぱり、いつもと同じだった‥。

怪人は、いつも似たようなタイプの子供を誘拐し、変な着ぐるみを着せ、予告状を出し、明智探偵が二十面相の仕業と見破り、変装得意なくせに人の変装は見抜けず、とりこにされ、なんとか逃げきっておしまいとなる。

ところがある日、「呪いの指紋」ポプラ社
を読んだ日から、すべてが変わりました。

とある大富豪が、自分の娘を悪い人の予告どおりに殺されてしまいます。
いきなりです。デパートのショーウィンドウのマネキンが死体だったりして。
次女も殺すという予告をもらって、ついに私立探偵に依頼。
明智じゃありません。でも、頭のいいデキそうな探偵です。

探偵は作戦を講じますが、あと一歩で、犯人に出し抜かれ、大事な助手まで射殺されてしまいます。
その場所が「八幡の藪知らず」というお化け屋敷。
このシーンが強烈で‥。

今までにない面白さ。
殺人が出てきて、それも娘さんが2人も殺されてしまうのですから。
トリックもたくさん出てきました。
二十面相の出番はありません。

二十面相は少年の誘拐しか興味ないみたいだし。

でも、この犯人は、被害者の富豪に対して、深い怨みを持っていそう‥。

このサスペンスは、土曜ワイド劇場でテレビ化されました。
江戸川乱歩の「悪魔の紋章」、
「死刑台の美女」というサブタイトルがついてました。

犯人は、現場に必ず、指紋を残すのです。
その指紋は変わっていて、三重模様の指紋なのです。
普通、指紋って、出来るだけ残さないように努力しますよね。

この犯人は、これ見よがしに残すのです。

果たして、指紋を残すのは何が目的なのでしょうか?

これが、本格ミステリファンの入り口でした。
少年探偵シリーズに飽き飽きしてたので、殺人の出てきた乱歩シリーズに惹かれました。


が‥‥それが今では、トリック主体の本格ミステリの人口的な世界より、

松本清張のような、ドロドロ油っこい世界の方が、受け入れやすくなってきました。
大人が、ハンバーグから、天ぷらに移行するのと似てますね。

ミステリーナイトの参加者に、社会派の代表松本清張が、犯人探しの本格小説の作品があるんですよと話すと驚いていました。
あなたもそう思いますよね?

それは、また次回に話しますね。