こんばんは。

松本清張の長編歴史小説「天保図録」が面白いという話をしています。

大河ドラマを見た後なので、なおさらですね。

「今川、早く潰れろ」

ということで今日の女城主直虎の感想でした。(笑)

天保図録‥は大河ドラマにできるのでは?
と白兎めは野望を持ったのですが、単に面白いだけではダメでして。
誰を主人公にするか?

天保図録も、決まった主人公いないんですよ。
将軍家慶、老中水野忠邦、北町奉行鳥居耀蔵、金座後藤三右衛門、旗本飯田主水‥。

飯田主水は、実在してたかどうかわからないですけど、主人公にするとしたら、この人でしょうね。一番いい人だし、ヒーローっぽいキャラです。
鳥居耀蔵は「蛮社の獄」と言って、蘭学者を迫害する悪者で、とにかくイヤになるくらいイヤな奴です。実在の人物で、幕末まで生きます。
蘭学者・高野長英、渡辺崋山らを取り締まったことは、日本史の教科書に出てきます。
大老井伊直弼の「安政の大獄」の軽い版です。

鳥居は、ただの奉行なんですが、水野忠邦を操って、好き放題やります。(そんな水野は将軍を操っています)
奉行になるために、前の奉行を陥れるという、ほんとに、とんでもない悪党です。

天保図録はエンターティメント色強い時代劇
「かげろう絵図」の続き物なんです。
「かげろう絵図」から読むと、さらに天保図録は面白いです。
かげろう絵図の時の将軍は11代家斉。いえなり。
歴代将軍で一番いい思いをした人。
やりたい放題やった人。
お金を湯水のごとく使った人。
任期のとにかく長い人。
子供いっぱい作った人。70人?
文化文政時代の代表者。

家斉の長い君臨のせいで、将軍らしい将軍になれず日陰にいた12代家慶。家斉のせいで、財政破綻し、風紀を取り締まろうと躍起になる新老中・水野忠邦。
つまり、「かげろう絵図」のリベンジをする話が
天保図録。

かげろう絵図に比べると、胸のすくシーンは少ないです。

でも、江戸時代の改革がよくわかります。
中学生、高校生には日本史の勉強にオススメです。

天保の改革、上知令、印旛沼の干拓など、出てきます。
結果的にこれら、水野忠邦のやったことは、すべて失敗します。


何より、家慶の奇妙な好物、芽生姜🌱のエピソードは、やっぱり面白いです。

前半は、特にドラマチックな話の展開で、スリルがありますね。水野忠邦が老中に就任して、怪物・鳥居耀蔵と、タッグを組むまでと、庶民の登場人物の敵討ちの話が面白いです。
まさに大河ドラマ向きです。
質素倹約の改革があらゆる人を苦しめます。

清張さんらしく、悪い人が沢山出てきます。(笑)。
でも、ミステリーみたいに、実は悪い人だったというのではなく、悪い人は悪い人として出てくるので、その辺は安心ですね。
悪い人は最後まで悪いし、いい人も同じ。

清張さんは、時代劇に関しては、ヒーローを登場させます。