こんばんは。
連続ドラマ・「黒革の手帳」のおかげで、ブログが書きやすくなったこの頃。(笑)
昨日はその黒革の手帳を含む⚫️⚫️⚫️な三部作シリーズとお伝えしました
が( 勝手に)。
「けものみち」「わるいやつら」の他に、「告訴せず」を加えて四部作シリーズでもいいかもしれません。
「告訴せず」
タイトルがイマイチなんですよね。
勝手な判断で申し訳ないです。
これ、元都知事の青島幸男が映画で主演を務めたらしいですね。
「告訴せず」は、しがない30男が、自分と縁者である政治家の選挙資金3000万円を拐帯する話です。
正確には、拐帯してからが、この話のスタートです。
この話は、松本清張の旅の初期に読んだ作品ですので、トラウマ感、ハンパなかったです(笑)。
いえ、ほんとに。
清張寓話のほんの入り口の時に読んだ作品ですから、その怖さがわかりませんでした。
読んでる時、少し怖い部分もありましたが
敢えて、目をそむけたという感じ。
しがない男は、読者の共感を呼ぶには十分でした。
3000万円あれば、それを元手に何かいい夢を見れるんじゃないか?
いっぺん、その程度の額を手に入れ、味わったことがないことをしたいと。
読者と主人公が、一体となる部分です。
感情移入というか、置き換えというか。
昔、歌舞伎役者の中村橋之助が、信頼していたスタッフに、1億円を拐帯 ( 持ち逃げ )されるという事件がありました。
それを思い出しちゃいました。
普通、そんなことしないはずですが、どうして魔が差しちゃったんでしょうね?
「告訴せず」の主人公は、選挙資金を新幹線に乗って運ぶ役目の途中で、ふっと、よからぬ考えに取りつかれるのです。
おそらく、その政治家の事を良く思ってないとか、元々良くない事に使われるお金だとわかっていたからでしょうね。
拐帯しても、どうせその先生は自分を訴えることが出来ない。後ろ暗いお金であり、自ら選挙違反者と名乗るようなものだからです。
泣き寝入りしてくれるはずだと確信します。
で、夢の三千万をバッグに入れ、新幹線を降りて、北上します。
さあて、何をしよう。どこへ行こう。
この辺は、感情移入して、読者もワクワクする部分です。
この男は、このお金を何に使うのか?
まずは、群馬県の温泉地に逗留することにします。
そして、話は面白く進みますが、
読んでる私が、漠然とした不安というのか、
読んでて、ある種のストレスを感じるのですよ。
軽めのですが、ストレスはストレス。
そのストレスの正体とは‥?
主人公以外の登場人物に対するストレス。
なぜかはわかりませんが。
どうやったら、主人公がこの三千万をスらずに済むのか?
自分の考えと、だんだんズレてきたことにも
ストレスを感じました。
それは、ともかく、庶民の夢を代わりにこの男が被験者となって叶えてくれるという、奇想天外なストーリーです。
後期に読んだら、どんなふうに読んでたでしょうね。